[イーデイリーHan Jeon-jin 記者] 送金や検索、メッセージのやり取りを行っていたプラットフォームで、今や早朝配送まで受け取れる時代が到来しています。 NAVER(#NAVER)、Kakao(035720) 、Toss(ネカト)などの大手プラットフォームが、生鮮食品・オンライン買い物へと領域を広げているためです。自ら物流網を構築するよりも、既存の流通業者をアプリ内に取り込む方式です。利用者を抱えるプラットフォームと、商品・物流を持つ流通業者が手を組むことで、コマースの境界も曖昧になりつつあります。
◇週に数回開くアプリ…ネカトが食料品購入に注力する理由
6日、業界によると、金融プラットフォームのトスは今月、トスショッピングに「オアシスマーケット専用館」を開設し、生鮮食品を含む約7000種類の商品の早朝配送に乗り出しました。利用者は、別途オアシスマーケットに登録することなく、トスアプリ内で商品の検索から決済、配送状況の確認まで利用でき、配送はオアシスの既存の物流網が担当します。 トスはオアシスに約300億ウォンを投資し、単なる出店にとどまらず、協力関係も強化しました。
トスの食料品販売への進出は、最近のプラットフォーム業界で見られるコマース拡大の一面に過ぎません。これに先立ち、ネイバーは昨年9月、カリーと「カリーNマート」を開設し、カリーの商品と早朝配送インフラをネイバープラスストアに統合しました。 「Curly N Mart」の取引額は、サービス開始から1年で初期比約10倍に増加し、取引額の80%以上が「NAVER PLUS STORE」アプリで発生しました。これは、流通業者が持つ商品・物流の競争力に、大手プラットフォームのユーザー基盤を組み合わせることで、実際の取引拡大につながることを示す事例です。
メッセンジャー「カカオトーク」を運営するカカオも、食料品の買い物分野を拡大しています。去る2月、ロッテマート・スーパーと提携し、年内に「カカオショッピング」でオンライン食料品購入サービスを開始することになりました。 生鮮食品から冷蔵・冷凍食品、生活必需品に至るまで商品群を広げ、ロッテマートの物流能力を活用する方式です。カカオはこれとは別に、生鮮食品の直接仕入れや物流運営能力も強化中です。検索や金融、メッセンジャーなど、互いに異なる分野で成長してきたプラットフォームが、一斉に消費者の「買い物かご」を新たな激戦地として狙っている様子です。
大手プラットフォームが食料品の買い物に注目するのは、購入頻度が高いためです。食料品や生活必需品は、1週間に何度も購入が繰り返される代表的な生活消費品です。食料品の買い物を取り込むほど、利用者がアプリを利用する回数が増え、それだけ決済・購入データも蓄積されます。 何をどのくらいの頻度で購入するか、どのような商品を一緒にカートに入れるかといった消費パターンは、広告・レコメンデーション、金融・会員サービスなど、他の事業へとつなげることができる重要な資産です。
◇クーパンは外へ、ネカトは内へ…顧客接点をめぐる争い
既存の流通・コマース企業とも利害が一致しています。生鮮食品は、商品の仕入れや冷蔵・冷凍保管、早朝配送など、参入障壁の高い市場です。プラットフォームは、これらを自ら構築する代わりに、すでに商品と物流インフラを備えた企業と提携すれば、迅速に買い物サービスを展開することができます。逆に、自社アプリだけで新規利用者を呼び込まなければならない流通企業は、大手プラットフォームのトラフィックを新たな販売チャネルとして活用することができます。 プラットフォームは不足している商品と配送を、流通企業は不足している顧客接点を、互いに補い合う構造となっています。
大手プラットフォーム間で事業領域が重なっている点も注目されます。ネカトがコマースへと事業範囲を広げている一方で、クーパンはEコマースを基盤に、フードデリバリーやオンライン動画サービス(OTT)、簡易決済などへと事業を多角化してきました。台湾のロケット配送・クーパンイーツなど、クーパンの成長事業の売上高は、今年の第2四半期に前年同期比で20%増加しました。 出発点は異なっても、ショッピング・決済・コンテンツ・配送など、日常の領域が重なっていることになります。コマースは、流通業者同士の競争を超え、大手プラットフォームがユーザーの滞在時間をめぐって競い合う舞台へと変わりつつあります。
今後、コマース競争は、誰がより多くの商品を直接保有するかというよりも、誰がより多くの顧客接点やパートナーを自社のプラットフォーム内に取り込むかという点へと移行する可能性があります。 流通業者は外部プラットフォームを通じて新規顧客や販売チャネルを確保できますが、長期的には消費者と直接接する接点や購入データの主導権がプラットフォーム側に傾く可能性がある点は負担となります。プラットフォーム側も、商品や配送を外部事業者に委託するだけに、サービスの品質をどれだけ安定的に維持できるかが課題として挙げられます。
流通業界の関係者は、「プラットフォームと流通業者が手を組むことは、当面は双方にとって利益となる取引ですが、最終的には誰が消費者との接点を掌握するかという問題に帰着します」とし、「時間が経つにつれて、天秤の重りはプラットフォーム側に傾く可能性が高い」と述べました。さらに、「流通業者としては、プラットフォームに乗じて規模を拡大しつつも、プラットフォームが容易に置き換えられない商品や物流の競争力を握っているかどうかが、生き残りを左右することになるでしょう」と付け加えました。