「ボッテヨン」は、話題の映画を実際に鑑賞し、率直な感想や見どころをお伝えするレビューコーナーです。<編集部注>
[イーデイリー スターinYUN GI BACK 記者] 4コマ漫画から始まった二人の少女の友情が、一編の魅惑的な成長物語として繰り広げられます。上手に絵を描きたいという欲求や、自分より優れた才能に直面した嫉妬、同じ夢を持つ友人ができた喜び、そして遅れて押し寄せる後悔まで。是枝裕和監督の『ルックバック』は、夢を追う青春の喜怒哀楽を繊細に描き出しています。
映画『ルックバック』の一場面。(写真=メガボックス中央)
『ルックバック』は、藤本達樹の同名漫画を実写化した作品です。 学校新聞に4コマ漫画を連載し、その実力を認められていた藤野は、登校しない同級生の京本さんの絵を見て衝撃を受けます。自負心は競争心へと変わり、藤野は京本さんを凌ぐために絵に没頭します。互いに面識のなかった二人は、思いがけない出会いをきっかけに、共に漫画を描く友人であり仲間となります。
映画は、性格も生活様式も異なる二人の少女が親しくなっていく過程を、焦ることなく描いています。藤野にとって京本さんは、自尊心を打ち砕いたライバルであると同時に、再びペンを握らせるきっかけとなった人物であり、京本さんにとって藤野さんは、閉ざされた扉を開き、外の世界へと導いてくれた人物です。互いの才能を羨ましく思っていた気持ちが、信頼と友情へと変わっていく過程が、着実に積み重ねられていきます。
映画『ルックバック』の一場面。(写真=メガボックス中央)
原作の漫画やアニメが二人の少女の純粋な憧れを鮮明に描き出したのに対し、実写映画は共に過ごした時間を振り返る切なさを加えています。鉛筆が紙を擦る音、並んで座って夜通し絵を描く時間、完成した漫画を一緒に眺める瞬間などが、二人の関係を具体的に物語っています。だからこそ、人生が予期せぬ方向へと流れた後に訪れる喪失感や後悔も、一層胸を締め付けるものとなります。
是枝監督は、悲しみを誇張したり、観客に涙を強要したりはしません。登場人物たちが過ごした部屋や、絵が置かれた机、一人が去った後に残された場所を、じっくりと見つめます。温かみのある色調と穏やかな音楽も、物語の流れを妨げることなく、二人の少女が過ごした時間を鮮明に蘇らせます。是枝監督の解説を聞きながら、一枚の絵をゆっくりと鑑賞しているかのような映画です。
映画『ルックバック』の一場面。(写真=メガボックス中央)
藤野と京本を演じた手口夏希さんと牧田亜寿さんは、原作の二人の少女を自然に現実の世界へと移し替えています。序盤を担った七瀬ふりさんと岡田ローカさんも、認められたいという欲求や友人への憧れを飾ることなく表現しています。 子役たちが二人の友情が始まる瞬間を説得力を持って演じたのに対し、大人の俳優たちは、成長と別れを経て変わった心を、抑制の効いた演技で表現しています。
『ルックバック』は、何を成し遂げたかと同じくらい、誰とその時間を過ごしたかが重要だと語っています。自分の絵を待っていてくれて、同じ机を囲んで夢を分かち合う人がいるということ。漫画を描く二人の少女の物語は、そうして創作の喜びを超え、一人の人間が他者の人生をどのように変えていくかを示しています。 エンドクレジットが流れた後、是枝裕和という名前がひときわ鮮明に残る理由です。是枝裕和監督。上映時間100分。10月8日公開。
[イーデイリー スターinYUN GI BACK 記者] 4コマ漫画から始まった二人の少女の友情が、一編の魅惑的な成長物語として繰り広げられます。上手に絵を描きたいという欲求や、自分より優れた才能に直面した嫉妬、同じ夢を持つ友人ができた喜び、そして遅れて押し寄せる後悔まで。是枝裕和監督の『ルックバック』は、夢を追う青春の喜怒哀楽を繊細に描き出しています。
『ルックバック』は、藤本達樹の同名漫画を実写化した作品です。 学校新聞に4コマ漫画を連載し、その実力を認められていた藤野は、登校しない同級生の京本さんの絵を見て衝撃を受けます。自負心は競争心へと変わり、藤野は京本さんを凌ぐために絵に没頭します。互いに面識のなかった二人は、思いがけない出会いをきっかけに、共に漫画を描く友人であり仲間となります。
映画は、性格も生活様式も異なる二人の少女が親しくなっていく過程を、焦ることなく描いています。藤野にとって京本さんは、自尊心を打ち砕いたライバルであると同時に、再びペンを握らせるきっかけとなった人物であり、京本さんにとって藤野さんは、閉ざされた扉を開き、外の世界へと導いてくれた人物です。互いの才能を羨ましく思っていた気持ちが、信頼と友情へと変わっていく過程が、着実に積み重ねられていきます。
原作の漫画やアニメが二人の少女の純粋な憧れを鮮明に描き出したのに対し、実写映画は共に過ごした時間を振り返る切なさを加えています。鉛筆が紙を擦る音、並んで座って夜通し絵を描く時間、完成した漫画を一緒に眺める瞬間などが、二人の関係を具体的に物語っています。だからこそ、人生が予期せぬ方向へと流れた後に訪れる喪失感や後悔も、一層胸を締め付けるものとなります。
是枝監督は、悲しみを誇張したり、観客に涙を強要したりはしません。登場人物たちが過ごした部屋や、絵が置かれた机、一人が去った後に残された場所を、じっくりと見つめます。温かみのある色調と穏やかな音楽も、物語の流れを妨げることなく、二人の少女が過ごした時間を鮮明に蘇らせます。是枝監督の解説を聞きながら、一枚の絵をゆっくりと鑑賞しているかのような映画です。
藤野と京本を演じた手口夏希さんと牧田亜寿さんは、原作の二人の少女を自然に現実の世界へと移し替えています。序盤を担った七瀬ふりさんと岡田ローカさんも、認められたいという欲求や友人への憧れを飾ることなく表現しています。 子役たちが二人の友情が始まる瞬間を説得力を持って演じたのに対し、大人の俳優たちは、成長と別れを経て変わった心を、抑制の効いた演技で表現しています。
『ルックバック』は、何を成し遂げたかと同じくらい、誰とその時間を過ごしたかが重要だと語っています。自分の絵を待っていてくれて、同じ机を囲んで夢を分かち合う人がいるということ。漫画を描く二人の少女の物語は、そうして創作の喜びを超え、一人の人間が他者の人生をどのように変えていくかを示しています。 エンドクレジットが流れた後、是枝裕和という名前がひときわ鮮明に残る理由です。是枝裕和監督。上映時間100分。10月8日公開。