[イーデイリーLee So-Hyun 記者] 子会社を株式市場に上場させ、財務投資家(FI)の投資資金を回収することは、親会社の一般株主にとっても利益となるのでしょうか。カカオがカカオモビリティの米国預託証券(ADR)上場案にブレーキをかけたことで、子会社の上場と「株主価値」の関係が再び注目されています。
Kakao(035720)カカオが問題視しているのは、米国上場そのものではなく、第2位株主であるTPGの持分のみを流動化する仕組みです。TPGは投資資金の回収が可能ですが、カカオモビリティには新規資金が入ってきません。一方、重複上場に伴う企業価値の割引や、米国証券法上の責任負担は残ります。
[イーデイリー キム・イルファン記者]
カカオ、カカオモビリティの米国ADR上場にブレーキ(写真=ChatGPTによる画像生成)
TPGが過半数を占めるカカオモビリティの株主価値向上委員会は、FI(金融投資家)の投資資金回収策の一つとしてADRを検討し、去る7月2日に米国証券取引委員会(SEC)にForm F-1を非公開で提出しました。
カカオモビリティ内部でも意見の相違がありました。リュ・グンソン代表は、去る5月のSECへの登録・上場申請には賛成しましたが、親会社の株主還元政策の協議方式や重複上場規制、上場日程などについては反対票を投じました。その後、6月24日に委員会を退任し、委員会はTPG側2名とカカオ側1名で再編されました。
カカオは、特定のFIに便益が集中する一方で、一般株主の経済的利益にはつながりにくいという点などを反対理由として提示しました。カカオとカカオモビリティ間の投資需要の分散、重複上場に伴う純資産価値(NAV)の割引の可能性、両社の株主間の利益相反、米国証券法上の責任負担なども考慮したものと伝えられています。
ある業界関係者は、「人的分割以降、株主価値に対する懸念が続いている状況で、『一般株主の経済的便益』を強調したのは、株主保護への意志を市場に再認識させようとするメッセージとも読み取れます」と述べました。ただし、カカオの関係者は、「人的分割と今回の決定に直接的な関連性はありません」と一線を画しました。
去る7月、SKハイニックスは自社新株を基にADRを追加上場し、約265億ドル(約40兆ウォン)を直接調達しました。同社が新株を発行して資金を確保し、生産施設や研究開発など、成長投資に活用する財源を 마련したのです。
一方、カカオモビリティはカカオの非上場子会社であり、同社の新株ではなくTPGの既存株のみを流動化する構造であるため、カカオモビリティには新規資金が流入しません。上場を通じて確保される資金が会社の成長に投入される構造ではなく、FI(金融投資家)の投資資金回収に活用されることになります。
米国上場の法的負担も変数となります。ネイバーの子会社であるウェブトゥーン・エンターテインメントは、2024年のナスダック上場後、新規株式公開(IPO)の有価証券届出書に関連する投資家による集団訴訟に巻き込まれ、同社や役員、主幹事会社などが被告となりました。今年7月に原則的な合意に達しましたが、役員を対象とした株主代表訴訟は別途提起されています。
成均館大学法学専門大学院のチェ・ジュンソン名誉教授は、「実質的な利益はほとんどないのに責任ばかり増大する状況が、株主にとって有益であるかどうかという評価を、取締役たちが決議に反映させたものと見ることができます」とし、「米国証券法上の負担と株主の便益を天秤にかけた結果です」と説明しました。
これに伴い、子会社の上場を巡る取締役会の判断基準も変化しています。かつてのように子会社やFIの資金回収のみを見るのではなく、親会社の一般株主の実益や企業価値の割引可能性、利益相反、法的責任まで合わせて考慮しなければならない構造になったのです。
同様の事例もあります。LG CNSは2025年の新規株式公開(IPO)当時、マッコーリーPEの既存株売却が公募量の半分を占めましたが、新株発行を並行して行い、成長資金を調達しました。子会社の上場がFIのエクジットにとどまるのか、それとも会社の成長資金につながるのかが、株主価値を判断する重要な変数となったわけです。
今回のカカオの決定は、子会社の上場を巡る取締役会の判断基準が、単なる資金調達やFIの投資資金回収の可否にとどまらず、親会社の一般株主に還元される経済的効果にまで拡大していることを示す事例としても見ることができます。
チェ教授は、「今後は、計画通りに上場が行われなかった場合、どうするかについて、確実な保証条項をFIが要求するようになるでしょう」とし、「違約金などの契約上の安全装置が強化される可能性が高い」と述べました。
子会社の上場を巡る企業とFI間の契約にも変化が予想されます。FIの立場としては投資資金の回収ルートを確保しなければなりませんが、親会社と子会社の取締役会にとっては、その構造が全株主の利益にどのような影響を与えるかを説明する必要性が高まったためです。
子会社の上場が株主価値を高めるかどうかは、「上場するか否か」だけで判断するのは困難です。誰が株式を売却するのか、会社に新規資金が流入するのか、上場後に企業価値や株主構成にどのような変化が生じるのか、そしてその過程で発生する法的・財務的負担を誰が負担するのかが、併せて検討すべき要素として浮上しています。
Kakao(035720)カカオが問題視しているのは、米国上場そのものではなく、第2位株主であるTPGの持分のみを流動化する仕組みです。TPGは投資資金の回収が可能ですが、カカオモビリティには新規資金が入ってきません。一方、重複上場に伴う企業価値の割引や、米国証券法上の責任負担は残ります。
TPGのエクジットにブレーキ…カカオが指摘した「一般株主の実益」23日、関連業界によると、カカオの取締役会は前日、TPGが保有する株式を基礎としたカカオモビリティのADR上場案に反対しました。
TPGが過半数を占めるカカオモビリティの株主価値向上委員会は、FI(金融投資家)の投資資金回収策の一つとしてADRを検討し、去る7月2日に米国証券取引委員会(SEC)にForm F-1を非公開で提出しました。
カカオモビリティ内部でも意見の相違がありました。リュ・グンソン代表は、去る5月のSECへの登録・上場申請には賛成しましたが、親会社の株主還元政策の協議方式や重複上場規制、上場日程などについては反対票を投じました。その後、6月24日に委員会を退任し、委員会はTPG側2名とカカオ側1名で再編されました。
カカオは、特定のFIに便益が集中する一方で、一般株主の経済的利益にはつながりにくいという点などを反対理由として提示しました。カカオとカカオモビリティ間の投資需要の分散、重複上場に伴う純資産価値(NAV)の割引の可能性、両社の株主間の利益相反、米国証券法上の責任負担なども考慮したものと伝えられています。
ある業界関係者は、「人的分割以降、株主価値に対する懸念が続いている状況で、『一般株主の経済的便益』を強調したのは、株主保護への意志を市場に再認識させようとするメッセージとも読み取れます」と述べました。ただし、カカオの関係者は、「人的分割と今回の決定に直接的な関連性はありません」と一線を画しました。
米国上場、資金調達の有無は?上場を通じて、会社と既存株主に何が残るかが鍵となります。米国株式市場の開示義務や法的責任を甘受したとしても、新規資金調達やグローバル投資家の拡大といった便益があれば、上場の意味合いは変わってくる可能性があります。
去る7月、SKハイニックスは自社新株を基にADRを追加上場し、約265億ドル(約40兆ウォン)を直接調達しました。同社が新株を発行して資金を確保し、生産施設や研究開発など、成長投資に活用する財源を 마련したのです。
一方、カカオモビリティはカカオの非上場子会社であり、同社の新株ではなくTPGの既存株のみを流動化する構造であるため、カカオモビリティには新規資金が流入しません。上場を通じて確保される資金が会社の成長に投入される構造ではなく、FI(金融投資家)の投資資金回収に活用されることになります。
米国上場の法的負担も変数となります。ネイバーの子会社であるウェブトゥーン・エンターテインメントは、2024年のナスダック上場後、新規株式公開(IPO)の有価証券届出書に関連する投資家による集団訴訟に巻き込まれ、同社や役員、主幹事会社などが被告となりました。今年7月に原則的な合意に達しましたが、役員を対象とした株主代表訴訟は別途提起されています。
成均館大学法学専門大学院のチェ・ジュンソン名誉教授は、「実質的な利益はほとんどないのに責任ばかり増大する状況が、株主にとって有益であるかどうかという評価を、取締役たちが決議に反映させたものと見ることができます」とし、「米国証券法上の負担と株主の便益を天秤にかけた結果です」と説明しました。
「会社」から「会社と株主」へ…変わった取締役会の計算式制度の変化も、このような判断に影響を及ぼしています。改正商法は、取締役の忠実義務の対象を会社だけでなく株主にも拡大し、全株主への公平な待遇を明文化しました。重複上場に関する制度もまた、親会社の取締役会が子会社の上場が株主に及ぼす影響と保護策を検討するよう求める方向に強化されました。
これに伴い、子会社の上場を巡る取締役会の判断基準も変化しています。かつてのように子会社やFIの資金回収のみを見るのではなく、親会社の一般株主の実益や企業価値の割引可能性、利益相反、法的責任まで合わせて考慮しなければならない構造になったのです。
同様の事例もあります。LG CNSは2025年の新規株式公開(IPO)当時、マッコーリーPEの既存株売却が公募量の半分を占めましたが、新株発行を並行して行い、成長資金を調達しました。子会社の上場がFIのエクジットにとどまるのか、それとも会社の成長資金につながるのかが、株主価値を判断する重要な変数となったわけです。
今回のカカオの決定は、子会社の上場を巡る取締役会の判断基準が、単なる資金調達やFIの投資資金回収の可否にとどまらず、親会社の一般株主に還元される経済的効果にまで拡大していることを示す事例としても見ることができます。
チェ教授は、「今後は、計画通りに上場が行われなかった場合、どうするかについて、確実な保証条項をFIが要求するようになるでしょう」とし、「違約金などの契約上の安全装置が強化される可能性が高い」と述べました。
子会社の上場を巡る企業とFI間の契約にも変化が予想されます。FIの立場としては投資資金の回収ルートを確保しなければなりませんが、親会社と子会社の取締役会にとっては、その構造が全株主の利益にどのような影響を与えるかを説明する必要性が高まったためです。
子会社の上場が株主価値を高めるかどうかは、「上場するか否か」だけで判断するのは困難です。誰が株式を売却するのか、会社に新規資金が流入するのか、上場後に企業価値や株主構成にどのような変化が生じるのか、そしてその過程で発生する法的・財務的負担を誰が負担するのかが、併せて検討すべき要素として浮上しています。