[イーデイリーShin Ha-yeon 記者] 今年、米国株式市場を牽引した人工知能(AI)やビッグテックブームの中でも、ウォール街では金融株が静かな強気相場を続けています。投資銀行(IB)やトレーディング部門の業績改善、新規株式公開(IPO)や合併・買収(M&A)市場の回復、積極的な株主還元政策が相まって、AIに集中していた投資資金が金融株にも広がりつつある雰囲気です。
◇IPO・M&Aの追い風に笑うウォール街の金融株
7日、金融投資業界によると、JPモルガン・チェースは第2四半期の純利益が市場予想を上回り、米国の銀行としては過去最高の四半期業績を記録しました。投資銀行(IB)の手数料とトレーディング部門が業績を牽引し、ゴールドマン・サックスも投資銀行と株式トレーディングの好調に支えられ、市場の期待を上回る成績を収めました。
モルガン・スタンレーもまた、投資銀行・トレーディング・資産運用部門のバランスの取れた成長を背景に好業績を記録し、バンク・オブ・アメリカ(BofA)も、市場事業(グローバル・マーケット)部門の過去最高業績とコーポレート・バンキング手数料の増加に支えられ、市場予想を上回る業績を挙げました。
年初来の株価上昇率は、6日(現地時間)の終値ベースで、モルガン・スタンレーが20.40%上昇し、最も高い上昇率を記録しました。また、ゴールドマン・サックス(17.47%)、バンク・オブ・アメリカ(14.55%)、JPモルガン(10.58%)も、いずれも2桁前後の上昇傾向を維持しました。
ロイターは、今年の第2四半期における米国大手6行の投資銀行手数料が前年同期比で平均45%増加したと伝え、「ウォール街の投資銀行事業が全速力で稼働している(Wall Street's investment banking machine firing on all cylinders)」と分析しました。
実際、スペースXをはじめとする超大型IPOや大型M&A取引が相次いで成立し、コーポレートファイナンス手数料はパンデミック以降で最高水準まで回復しました。世界の投資銀行手数料は上半期に600億ドルを超え、JPモルガン、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーがリーグテーブルの上位を占めました。
市場の変動性が拡大した点も、金融株にとっては好材料でした。中東の地政学的リスクやAI投資の拡大、金利動向をめぐる不確実性により、投資家の売買が活発化し、株式や債券のトレーディング収益が大幅に増加しました。ゴールドマン・サックスは第2四半期の株式トレーディング部門で過去最高水準の業績を記録し、JPモルガンもトレーディングの好調に支えられ、米銀として過去最高の四半期純利益を達成しました。
業績の改善にもかかわらず、バリュエーションの負担がそれほど大きくないという点も、金融株に対する投資心理を刺激しました。AI関連のテクノロジー株が年初以降大幅に上昇したのとは対照的に、金融株は相対的に上昇幅が限定的であることから、機関投資家によるセクターローテーションの対象となっているという分析です。配当の拡大や自社株買いなど、積極的な株主還元政策も投資魅力を高めています。
◇株主還元・為替効果…韓国でも再評価への期待
国内の金融株についても、再評価の可能性は十分にあるとの分析です。米国の大手金融株のように投資銀行(IB)の比重は高くありませんが、為替レートの下落や自己資本比率の改善、株主還元拡大などが株価上昇の要因として作用し得るとの説明です。
バリュエーションの魅力も際立っています。ハナ証券によると、韓国銀行株の今年の予想株価純資産倍率(PBR)は0.69倍で、米国の銀行(1.72倍)や欧州の銀行(1.58倍)を大きく下回っています。
直近1ヶ月(7月6日~8月6日)にKOSPIが22.15%下落した一方で、KRX銀行指数は1.95%上昇し、相対的に堅調な動きを見せました。 年初来の収益率を見ると、ShinhanFinancialGroup Co.,Ltd.(055550) (40.21%)、HanaFinancialGroupInc.(086790) (42.72%)、KB Financial Group(105560) (39.09%)がいずれも40%台前後の上昇率を記録し、WooriFinancialGroup(316140) (19.43%)も20%近く上昇しました。
ハナ証券のチェ・ジョンウク研究員は、「ウォン・ドル為替レートの下落は、外貨換算益だけでなく、普通株式資本(CET1)比率の改善にもつながり、株主還元拡大への期待を高める要因となる」とし、「業績の安定性が高く、マクロ環境も好意的であるだけに、銀行株への関心を引き続き高める必要がある」と述べました。
さらに、「KB金融、ウリ金融、ハナ金融については、現在の為替レート水準が維持された場合、CET1比率が約25~30bp(1bp=0.01%p)上昇する効果が予想される」とし、「為替レートの下落がもたらす好影響が、銀行株の株価により一層反映される必要がある」と付け加えました。
メリッツ証券のチョ・アヘ研究員は、「銀行の堅調な収益力を基盤としたCET-1比率の改善に伴う、積極的な株主還元への期待感は依然として有効だ」とし、「株式市場の変動性が拡大している局面において、ディフェンシブ銘柄としての役割が際立つ時期だ」と指摘しました。