映画界

トム・ホランド「私の演技はどうか?」…『オデッセイ』の撮影が3分ごとに中断された理由

長編映画として初めて全編をIMAXフィルムで撮影 1回の撮影で収録可能な分量:2分30秒~3分 フィルムの交換のため、3分ごとに撮影を中断する事態が繰り返されました カメラの騒音には「ブリンプ」、視線の問題には鏡を活用

YUN GI BACK
2026-08-11 06:00:07
[イーデイリー スターinYUN GI BACK 記者] クリストファー・ノーラン監督の新作『オデッセイ』は、長編映画として初めて全編をIMAXフィルムカメラで撮影した作品です。巨大なスクリーンを埋め尽くす圧倒的な映像を得るための選択でしたが、撮影現場では予期せぬ困難が相次ぎました。俳優たちは約3分ごとに演技を中断しなければならず、互いの顔を直接見ることが難しいため、鏡を見ながら感情表現を繰り広げることもありました。
映画『オデッセイ』の撮影中のクリストファー・ノーラン監督。(写真=ユニバーサル・ピクチャーズ)

◇3分ごとに中断される撮影…8ページにわたる感情シーンはどのように撮影されたのか
その理由は、IMAXフィルムカメラの物理的な限界にありました。『オデッセイ』の撮影に使用された新しいIMAXカメラのフィルムマガジンで、一度に撮影できる分量は約2分30秒~3分です。その時間が過ぎると、撮影を中断して新しいフィルムを装填しなければなりませんでした。
短いシーンであれば大きな問題ではありませんが、長い呼吸が必要な感情シーンでは事情が異なりました。俳優が感情を最大限に高めて演技を続けていても、フィルムが切れてしまえば撮影を中断せざるを得ませんでした。
ノーラン監督が選んだ方法は、「何もしないこと」に近いものでした。フィルムを交換している間、俳優やスタッフが席を離れたり会話を交わしたりするのではなく、撮影直前の状態をそのまま維持するようにしました。現場は静かに静止し、俳優たちは感情から抜け出さないまま待ち続けました。カメラチームが可能な限り迅速にフィルムを交換すると、すぐに撮影を再開しました。
この方式が試されたシーンの一つが、撮影序盤にロサンゼルスのセットで行われたオデュッセウス(マット・デイモン)とペネロペ(アン・ハサウェイ)の感情シーンでした。二人の俳優が演じなければならないシーンは、台本で約8ページに及んでいました。
長い感情の流れを維持しなければならないシーンを何度も区切って撮影しながらも、二人の俳優は直前の感情状態を保ったまま演技を続けました。この撮影を成功裏に終えたことで、ノーラン監督もまた、長編映画全体をIMAXフィルムで撮影するという方式に確信を得ました。
映画『オデッセイ』の一場面。(写真=ユニバーサル・ピクチャーズ)

フィルムの長さだけが問題だったわけではありません。IMAXフィルムカメラは、作動時に発生する大きな騒音でも有名です。セリフが重要なシーンでは、カメラの音が俳優の声と一緒に録音されてしまうという問題がありました。
制作陣はこれを解決するため、カメラを覆って騒音を低減する防音装置「ブリンプ」(blimp)を新たに製作しました。ノーラン監督の表現によれば、カメラの騒音は「穏やかなゴロゴロ音」程度まで軽減されました。
しかし、一つの問題を解決すると、また別の問題が生じました。防音装置を取り付けたことでカメラの体積が大きくなり、至近距離で向き合うシーンでは、カメラが俳優たちの視界を遮ってしまいました。マット・デイモンとアン・ハサウェイが、相手役の目をしっかりと見つめることが難しくなってしまったのです。
制作陣は結局、鏡を活用しました。二人の俳優が直接互いを見ることができない状況で、鏡を通して相手の視線を確認しながら演技できるようにしたのです。IMAXの巨大なスクリーンを実現するために、肝心の俳優たちは鏡越しに互いの目を見なければならないという逆説的な状況が生まれました。
映画『オデッセイ』のアン・ハサウェイ(左)とトム・ホランド。(写真=ユニバーサル・ピクチャーズ)

◇3分ごとに「カット」と叫んだノーラン監督…トム・ホランドは「戸惑い」
約3分ごとに中断する撮影方式は、俳優たちにとっても馴染みのないものでした。トム・ホランドは、『オデッセイ』の撮影に初めて参加した当時、ノーラン監督が何度も撮影を中断したため、自分の演技に問題があるのだと思ったと振り返りました。
撮影が度々中断されるにつれ、ホランドは共演していたジョン・バーンサルに理由を尋ね、心配していました。その後、スタントコーディネーターから、IMAXフィルムの撮影時間に制限があるという説明を受けて、ようやく状況を理解しました。
結局、『オデッセイ』の全編にわたるIMAX撮影は、単にカメラを1台交換するだけの問題ではありませんでした。限られたフィルムの長さから、カメラの騒音、巨大な機材が俳優たちの視界を遮る問題に至るまで、様々な制約を解決しなければなりませんでした。『オデッセイ』の巨大なIMAX画面の背後には、このようにアナログ的な試行錯誤と解決策が隠されていたのです。

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