[ベルリン=イーデイリーJAEMIN SONG 記者] 「もう帰ります。」
家の外からカカオトークでメッセージを送ると、人工知能(AI)が現在の位置と自宅までの所要時間を計算しました。しばらくして、「50分後にご帰宅される際、快適にお過ごしいただけるよう、エアコンをお好みの26度に設定し、空気清浄機もあらかじめ稼働させておきましょうか」という返事が返ってきました。利用者が同意すると、家の中の家電が動き始めました。機器ごとに命令を出す必要がなく、AIが会話の文脈を読み取り、必要なことを先回りして見つけたのです。
LGエレクトロニクスのホームロボット「LG クロイド」が3日(現地時間)、ドイツ・ベルリンのメッセ・ベルリンで開催されたIFA 2026の展示会場入口で、テレビや生活家電、空調製品で構成された「AIオーケストラ」を指揮しています。(写真=JAEMIN SONG 記者)
3日(現地時間)、ドイツ・ベルリンのメッセ・ベルリンに設けられたLGエレクトロニクス(066570)の「IFA 2026」展示館。入り口に足を踏み入れると、壮大なオーケストラのステージが来場者を出迎えました。ステージの中央にはホームロボット「LG クロイド」が指揮者のように立ち、テレビや冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど約30台の製品が半円状に並んでいました。
昨年は生活家電を中心に構成された「AIオーケストラ」とは異なり、今年はOLEDテレビやスタンバイミー、ノートパソコン、空調製品までが楽団に加わりました。 展示場の入り口で、家電製品ではなくヒューマノイド型ロボットが真っ先に登場した場面から、今年のIFAにおいて一層強まったAIの存在感が示されました。個々の製品の性能を強調していた家電展示が、ロボットとAIが様々な製品を調和させる空間展示へと移行しつつあることを意味しています。
LGエレクトロニクスのMS事業本部ディスプレイCX担当常務であるペク・ソンピル氏が、3日(現地時間)、ドイツ・ベルリンで開催されたIFA 2026の事前ブースツアーで、「LGマイクロRGBエボAI」の画質技術について説明しています。(写真=JAEMIN SONG 記者)
命令を待っていたAIから、自ら提案する「執事」へ
展示場の奥にあるAIホームゾーンでは、クロイドほど目立ちませんが、家中のあちこちを動き回るもう一つのAIが公開されました。AIホームハブ「LG ThinQ On」に搭載される実行型AIエージェント「ThinQ Clow」です。 従来のAIが質問に答えたり、決められた命令を実行したりしていたのに対し、シンキュー・クローは利用者のスケジュールや好み、生活パターンを記憶し、必要な作業を自ら提案します。利用者の承認を得ると、実際の家電や外部サービスまで連携させて作業を実行します。
LGエレクトロニクスは、IFA 2026の展示館にあるメディア・エンターテインメントゾーンに、さまざまなサイズや形状のディスプレイを額縁のように配置し、メディアギャラリーを実現しました。(写真=JAEMIN SONG 記者)
家の中で「シンクユー・オン」に向かって話しかけなければならなかった従来の音声制御とは異なり、カカオトークやテレグラムなど、使い慣れたメッセンジャーを通じて、外出先からでもAIホームと会話することができます。Googleカレンダーに4日間のベトナム家族旅行を登録すると、出発日程を把握し、家電の省エネ設定や自動化の一時停止を先に提案します。利用者が許可すれば、照明やテレビを消し、夜には空き家保護モードを実行します。
食料品の購入レシートや料理の写真をチャットウィンドウにアップロードすると、家族のアレルギー情報を考慮して、注意事項や調理法を教えてくれます。子供がピーナッツや桃のアレルギーがあるという事実を、以前の会話で伝えていた場合、休暇のスケジュールに合わせて、その食材を除いた献立も提案してくれます。複雑なコマンドや自動化の条件を直接入力する必要がないという点から、事前ユーザー評価では「使いやすいAI」という反応が最も多かったとのことです。
LGエレクトロニクスがIFA 2026で公開した、欧州市場向けの「Fit & Max」洗濯家電ラインナップ。欧州標準の家具の奥行きに合わせて設計され、洗濯・乾燥容量と空間活用度を高めています。(写真=JAEMIN SONG 記者)
AIホームの動作シーンは、実際の家のように構成された空間に沿って展開されました。リビングでは、テレビや空気清浄機などの状態を総合的に把握して知らせてくれ、交換時期が近づいたフィルターをいち早く検知しました。 キッチンでは、冷蔵庫内の食材や家族のスケジュールを基にメニューを提案し、調理情報をIHコンロやオーブンに伝達しました。寝室では睡眠環境に合わせてエアコンや照明を調整し、浴室ではシャワーが終わった後に換気と除湿を稼働させました。利用者がいちいち気にかける必要のなかった「目に見えない家事」を、AIが代わりに担う様子です。
AIホームからビルトイン・B2Bへとつながる事業戦略
LGエレクトロニクスは今回の展示会で、AIを個々の家電の機能に限定せず、空間やビジネスソリューションへと拡張しました。3745㎡規模の展示館に主力製品約150点を配置しましたが、製品ごとの陳列よりも、リビングやキッチン、バスルーム、ドレッシングルームなど、実際の生活空間を再現することに注力しました。
欧州市場をターゲットにしたビルトインスタイルの家電「フィット&マックス」も、冷蔵庫から洗濯機、乾燥機、食器洗い機へとラインナップを拡大しました。 冷蔵庫は、キャビネットと4mmの間隔で密着して設置しても、ドアを最大110度まで開くことができるようにしました。洗濯機と乾燥機は、欧州標準のキャビネット奥行である600mmを維持しつつ、内部容量を拡大しました。複数の製品を同一ブランドで構成するというビルトインの特性を活かし、顧客をLG AIホームのエコシステム内に取り込むという戦略です。
LGエレクトロニクスがIFA 2026の展示館に、実際の生活環境のように設けたAIホームゾーンの寝室・浴室スペース。AIホームハブ「シンクユー・オン」が、利用者のスケジュールや生活パターンに合わせて、エアコンや照明、家電などを統合管理します。(写真=JAEMIN SONG 記者)
LGエレクトロニクスが2024年に買収したアットホームのスマートホームプラットフォーム「ホミ」は、家電や照明、センサーなど5万個以上のIoT機器を接続します。これをHVACや太陽光発電、エネルギー貯蔵装置(ESS)まで連動させ、家全体のエネルギーの流れを管理するソリューションへと拡張しました。 「LG ThinQ Pro」を活用すれば、建設会社や管理業者は各世帯を訪問することなく、製品の稼働状況やエネルギー使用量、故障の有無を確認することができます。
展示面積全体の約46%を、現地の流通業者や企業間取引(B2B)の顧客向けの相談スペースとして構成したのも、このためです。AI執事の利便性を紹介するにとどまらず、ビルトインパッケージや住宅・商業用管理ソリューションの受注につなげたいという構想です。
LGエレクトロニクスのホームロボット「LGクローイド」が3日(現地時間)、ドイツ・ベルリンのメッセ・ベルリンで開催されたIFA 2026の展示会場入口で、テレビや生活家電、空調製品で構成された「AIオーケストラ」を指揮しています。(写真=JAEMIN SONG 記者)
シンク・クローは、早ければ今月中に韓国国内でベータテストを開始し、2027年に正式に発売される予定です。その後、米国や欧州などへ適用地域を広げる案も検討しています。特にエネルギーコストに敏感な欧州では、長期不在時の家電の省エネ機能やエネルギー浪費検知機能の活用度が高まると期待されています。
LGエレクトロニクスHS事業本部AIホームソリューション事業開発担当のノ・ボムジュン常務は、「空間や状況に合わせたオーダーメイド型AIを発展させ、顧客の日常生活を理解し、共に動くAIホームサービスを多様に発展させていく」と述べました。
家の外からカカオトークでメッセージを送ると、人工知能(AI)が現在の位置と自宅までの所要時間を計算しました。しばらくして、「50分後にご帰宅される際、快適にお過ごしいただけるよう、エアコンをお好みの26度に設定し、空気清浄機もあらかじめ稼働させておきましょうか」という返事が返ってきました。利用者が同意すると、家の中の家電が動き始めました。機器ごとに命令を出す必要がなく、AIが会話の文脈を読み取り、必要なことを先回りして見つけたのです。
3日(現地時間)、ドイツ・ベルリンのメッセ・ベルリンに設けられたLGエレクトロニクス(066570)の「IFA 2026」展示館。入り口に足を踏み入れると、壮大なオーケストラのステージが来場者を出迎えました。ステージの中央にはホームロボット「LG クロイド」が指揮者のように立ち、テレビや冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど約30台の製品が半円状に並んでいました。
昨年は生活家電を中心に構成された「AIオーケストラ」とは異なり、今年はOLEDテレビやスタンバイミー、ノートパソコン、空調製品までが楽団に加わりました。 展示場の入り口で、家電製品ではなくヒューマノイド型ロボットが真っ先に登場した場面から、今年のIFAにおいて一層強まったAIの存在感が示されました。個々の製品の性能を強調していた家電展示が、ロボットとAIが様々な製品を調和させる空間展示へと移行しつつあることを意味しています。
命令を待っていたAIから、自ら提案する「執事」へ
展示場の奥にあるAIホームゾーンでは、クロイドほど目立ちませんが、家中のあちこちを動き回るもう一つのAIが公開されました。AIホームハブ「LG ThinQ On」に搭載される実行型AIエージェント「ThinQ Clow」です。 従来のAIが質問に答えたり、決められた命令を実行したりしていたのに対し、シンキュー・クローは利用者のスケジュールや好み、生活パターンを記憶し、必要な作業を自ら提案します。利用者の承認を得ると、実際の家電や外部サービスまで連携させて作業を実行します。
家の中で「シンクユー・オン」に向かって話しかけなければならなかった従来の音声制御とは異なり、カカオトークやテレグラムなど、使い慣れたメッセンジャーを通じて、外出先からでもAIホームと会話することができます。Googleカレンダーに4日間のベトナム家族旅行を登録すると、出発日程を把握し、家電の省エネ設定や自動化の一時停止を先に提案します。利用者が許可すれば、照明やテレビを消し、夜には空き家保護モードを実行します。
食料品の購入レシートや料理の写真をチャットウィンドウにアップロードすると、家族のアレルギー情報を考慮して、注意事項や調理法を教えてくれます。子供がピーナッツや桃のアレルギーがあるという事実を、以前の会話で伝えていた場合、休暇のスケジュールに合わせて、その食材を除いた献立も提案してくれます。複雑なコマンドや自動化の条件を直接入力する必要がないという点から、事前ユーザー評価では「使いやすいAI」という反応が最も多かったとのことです。
AIホームの動作シーンは、実際の家のように構成された空間に沿って展開されました。リビングでは、テレビや空気清浄機などの状態を総合的に把握して知らせてくれ、交換時期が近づいたフィルターをいち早く検知しました。 キッチンでは、冷蔵庫内の食材や家族のスケジュールを基にメニューを提案し、調理情報をIHコンロやオーブンに伝達しました。寝室では睡眠環境に合わせてエアコンや照明を調整し、浴室ではシャワーが終わった後に換気と除湿を稼働させました。利用者がいちいち気にかける必要のなかった「目に見えない家事」を、AIが代わりに担う様子です。
AIホームからビルトイン・B2Bへとつながる事業戦略
LGエレクトロニクスは今回の展示会で、AIを個々の家電の機能に限定せず、空間やビジネスソリューションへと拡張しました。3745㎡規模の展示館に主力製品約150点を配置しましたが、製品ごとの陳列よりも、リビングやキッチン、バスルーム、ドレッシングルームなど、実際の生活空間を再現することに注力しました。
欧州市場をターゲットにしたビルトインスタイルの家電「フィット&マックス」も、冷蔵庫から洗濯機、乾燥機、食器洗い機へとラインナップを拡大しました。 冷蔵庫は、キャビネットと4mmの間隔で密着して設置しても、ドアを最大110度まで開くことができるようにしました。洗濯機と乾燥機は、欧州標準のキャビネット奥行である600mmを維持しつつ、内部容量を拡大しました。複数の製品を同一ブランドで構成するというビルトインの特性を活かし、顧客をLG AIホームのエコシステム内に取り込むという戦略です。
LGエレクトロニクスが2024年に買収したアットホームのスマートホームプラットフォーム「ホミ」は、家電や照明、センサーなど5万個以上のIoT機器を接続します。これをHVACや太陽光発電、エネルギー貯蔵装置(ESS)まで連動させ、家全体のエネルギーの流れを管理するソリューションへと拡張しました。 「LG ThinQ Pro」を活用すれば、建設会社や管理業者は各世帯を訪問することなく、製品の稼働状況やエネルギー使用量、故障の有無を確認することができます。
展示面積全体の約46%を、現地の流通業者や企業間取引(B2B)の顧客向けの相談スペースとして構成したのも、このためです。AI執事の利便性を紹介するにとどまらず、ビルトインパッケージや住宅・商業用管理ソリューションの受注につなげたいという構想です。
シンク・クローは、早ければ今月中に韓国国内でベータテストを開始し、2027年に正式に発売される予定です。その後、米国や欧州などへ適用地域を広げる案も検討しています。特にエネルギーコストに敏感な欧州では、長期不在時の家電の省エネ機能やエネルギー浪費検知機能の活用度が高まると期待されています。
LGエレクトロニクスHS事業本部AIホームソリューション事業開発担当のノ・ボムジュン常務は、「空間や状況に合わせたオーダーメイド型AIを発展させ、顧客の日常生活を理解し、共に動くAIホームサービスを多様に発展させていく」と述べました。