映画界

「半日休みを取ってオープンラン」…映画よりもグッズに夢中な「グッズ遠征族」

ポスター・フィルムマーク・限定チケットをめぐる争い 公開初日に合わせて、遠征・リピート鑑賞 グッズが映画館選びの新たな基準に

YUN GI BACK
2026-09-16 10:07:33
[イーデイリー・スターinYUN GI BACK 記者] 30代の会社員Aさんは、メガボックスで期待作が公開されると、なるべく初日に映画館を訪れます。ただ映画を観るためだけではありません。公開に合わせて発売されるオリジナルチケットやアートグラフィーなど、限定グッズを手に入れるためです。Aさんは、「映画を観るだけで終わらせるのではなく、気に入った作品を特別なものとして残しておきたいので、グッズを集めています」と語りました。 Aさんは、本日(16日)公開される映画『インターン』のオリジナルチケットを受け取るため、半日休暇を取って映画館を訪れる予定だと明かしました。
CGV、ロッテシネマ、メガボックス、シネQの映画『インターン』グッズ。(写真=各社のホームページ)

映画を観るだけでなく、グッズを受け取るために劇場や上映回まで選ぶという鑑賞スタイルが広がっています。同じ映画を観るにしても、どの劇場でどのようなポスターやフォトカード、フィルムマークがもらえるかによって、観賞場所を変える、いわゆる「グッズ遠征族」が増えているのです。
16日、映画業界によると、最近、マルチプレックス各社は公開作品ごとに、それぞれ異なるデザインのポスターやフォトカード、フィルムマーク、オリジナルチケットなど、各種特典を次々と提供しています。観客にとっては、映画を1本観るだけで消費が終わるのではなく、特定の映画館でしか手に入らないグッズまで一緒に手に入れることが、一つの鑑賞スタイルとして定着したと言えます。
グッズ競争は数字からも確認できます。15日時点で、映画グッズ情報を集めて提供するサイト「シネマグッズ」には、CGV・ロッテシネマ・メガボックス・シネキューが実施中または予定しているイベントが270件以上登録されています。CGVだけでも90件前後にも上ります。 4大映画館チェーンが、事実上常時グッズ競争を繰り広げていることになります。
特典もますます細分化されています。公開初週と第2週で異なるポスターを提供したり、同じ映画でも映画館チェーンごとにデザインを変えたりといった具合です。IMAX、ドルビーシネマ、4DX(4次元映画上映システム)など、特別館専用のグッズを別途発売する場合も珍しくありません。1本の映画を何度も観る「N回観賞」を増やす効果もあります。
このため、鑑賞する映画館を決める基準も変化しています。以前は自宅からの距離、上映時間、座席の状態が主な選択基準でしたが、最近では「どのようなグッズがもらえるか」が重要な要素となっています。 希望する特典を手に入れるために、普段利用しない映画館まで足を運んだり、グッズ配布初日の早い時間帯の上映を予約したりする観客も少なくありません。20代の男性Bさんは、「自宅近くの映画館ではグッズ特典が提供されないため、わざわざ別の店舗を探して行くことがあります」とし、「映画を観れば無料で手に入るグッズにしては品質も良く、コレクションする価値があります」と語りました。
映画グッズ情報をまとめて提供する「シネマグッズ」のホームページ。

劇場の立場から見ても、グッズは単なる景品以上の存在です。オンライン動画サービス(OTT)との差別化が難しい状況において、「劇場に来なければ手に入らないもの」を作り出し、観客を呼び込む手段となっているからです。特にファン層の厚いアニメやブロックバスター、アート映画では、グッズが鑑賞需要を動かす効果がさらに大きくなります。
限定版という特性も、収集欲を刺激します。上映が終わると再び手に入れるのが難しい上、作品別・劇場別の特典を集める楽しみも加わり、映画のチケットそのものよりもグッズの方が長く残る「記念品」としての役割を果たしています。
劇場での消費の定番も、「映画+ポップコーン」から「映画+グッズ」へと広がりを見せています。観客数の減少に悩む映画業界において、限定版のポスター1枚、チケット1枚が、再び観客を劇場へと呼び戻す新たな誘引策となっています。今や観客にとって重要な問いは、「どの映画を観ようか」だけでなく、「どこで観れば何がもらえるか」にまで広がりました。
映画業界の関係者は、「最近では、グッズが実際の予約時期や鑑賞場所を決定するケースも少なくありません」とし、「作品に対するファンの熱意を実際の鑑賞につなげ、再鑑賞を促す重要なマーケティング手段として定着しつつあります」と述べました。

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