MBDのク・ボソン代表は最近、京畿道水原市光教にあるソウル大学次世代融合技術院内の本社で、イーデイリーとの取材に応じ、このように述べました。
前処理装置でがん細胞を分離し、微量分注装置が細胞と抗がん剤を培養プレートに分配すると、スキャナーが細胞の状態と薬剤への反応を読み取ります。まだ一部の工程で研究者の手が必要ですが、エムビディは各装置とロボットアームを1つのシステムとして連携させる開発を進めています。
ク代表は、「バイオ検査において最も重要なのは、自動化による再現性です」とし、「研究者や作業者が変わっても、同じ条件と工程で一貫したデータを出せるようになってこそ、患者の治療や新薬開発に活用できるのです」と述べました。
今月、コスダックへの上場を推進中のエムビディは、3次元(3D)細胞培養プラットフォーム技術を基盤に、精密医療と新薬開発支援事業を展開する企業です。中核事業は、△3D細胞培養自動化装置「ASFA(アスパ)」、△抗がん剤感受性検査サービス「OncoSensi(オンコセンシ)」 △患者由来細胞に基づく新薬開発の委託研究(CRO)などです。
エムビディは昨年、技術性評価において専門評価機関2社からそれぞれAおよびBBBの格付けを受け、技術特例上場の要件を満たしました。今年7月には、韓国取引所のコスダック上場予備審査の承認を得ました。技術特例上場の審査基準が厳しくなったという評価の中、自動化装置を開発し、これを検査サービスやCROへと拡大してきた事業構造が認められたとの評価を受けています。
「手作業によるばらつきを減らすことが自動化の出発点」エムビディが自動化に注目した背景には、バイオ実験における手作業への依存度が高いという判断があります。患者から採取したがん組織を分離し、細胞を培養した後、さまざまな抗がん剤と反応させる過程は、多くの段階に分かれています。検体量は限られている上、細胞や薬剤を均一に扱う必要があるため、作業者ごとに結果にばらつきが生じる可能性があります。
エムビディは、電子部品の製造工程で使用されていた精密制御技術をこのプロセスに応用しました。ク代表を含む創業メンバーは、サムスン電機でバイオ医療機器の開発に携わった経験を持つエンジニア出身です。微量の液体を一定量で迅速に噴射・制御する技術を、細胞と薬剤の微量分注に応用しました。
ASFAは、患者由来組織の前処理から、細胞・薬剤の微量分注、3D培養、画像取得・分析に至るまで、細胞培養プロセスに活用される装置群です。細胞と薬剤を分注する「ASFAスポッター(Spotter)」と、培養結果を分析する「ASFAスキャナー(Scanner)」、専用培養プレートやチップなどの消耗品、分析ソフトウェアをセットで提供しています。
自動化装置の第一の役割は、実験時間を短縮することよりも、一貫性を確保することにあります。エムビディは、患者由来のがん細胞を3Dで培養した後、抗がん剤への反応を分析します。細胞が成長し、薬剤と反応するには物理的に時間がかかるため、検査結果は通常10~14日以内に提供されます。
ク代表は、「細胞を培養し、薬剤と反応させる時間そのものを人為的に短縮することはできません」とし、「その代わり、前処理や分注、分析の過程で人によって生じうるばらつきを減らすことが、自動化の役割です」と述べました。
同社は、自動化プラットフォームで蓄積されたデータが今後、中核的な資産になると見込んでいます。同じ培養プラットフォームで蓄積された患者の臨床情報や薬剤反応データ、ゲノム情報などを組み合わせ、人工知能(AI)ベースの予測アルゴリズムを高度化させる計画です。
ク代表は、「単に患者の癌細胞に薬剤を投与した結果だけを保有しているのではなく、患者の臨床情報やその後の経過までデータベースとして蓄積している」とし、「プラットフォームから得られる一貫性のあるデータが増えるほど、治療反応を予測する能力も高まるだろう」と述べました。
オンコセンシ、対象がん種を拡大…「55の病院まで拡大する」精密医療サービス「オンコセンシ」は、エムビディの事業化の最前線にあります。患者の癌組織や体液から採取した癌細胞を3Dで培養した後、複数の抗がん剤に対する反応を分析し、医療スタッフの治療戦略の策定を支援するサービスです。癌細胞をゲノム情報だけで判断するにとどまらず、実際の癌細胞に薬剤を投与して反応を確認する方式です。
現在、オンコセンシは肺がん・卵巣がん・胃がん・大腸がんを対象に商用化されています。検査の実施は緑十字医療財団の検査ラボが担当し、エムビディは自動化装置や分析技術、データ基盤を提供しています。
対象となるがん種や依頼医療機関も拡大していきます。同社は今年末に胆道がんや子宮内膜がんの検査を追加でリリースし、来年初めには膵臓がん・前立腺がん・腎臓がんなどへと範囲を広げる計画です。
ク代表は、「がんの種類を増やすには、当該のがん種において十分な臨床データを蓄積し、検証する必要があります」とし、「一気に拡大するよりも、検証が完了したがん種から順次サービスに導入していく方式をとっています」と述べました。
現在、オンコセンシ検査を依頼している国内の病院は約45カ所です。エムビディは年末までにこれを50~55カ所程度まで増やすことを目標としています。病院との契約、診療現場への導入、検査プロセスの定着には時間がかかるため、営業網の拡充が必要だという判断です。
上場後は、自動化装置の完成度を高めると同時に、装置・消耗品・検査・CROへとつながる事業構造を強化する方針です。エムビディは新株200万株を公募します。希望公募価格帯は9,400~11,700ウォンであり、近日中に公募を実施する予定です。主幹事はハナ証券です。
公募資金は、生産インフラの拡充や研究開発、人材確保、営業・マーケティングの強化に活用する計画です。ク代表は、「がん種を拡大するための臨床試験や研究開発も必要ですが、すでに備えている技術を医療機関や製薬会社に周知し、実際の売上につなげることも重要です」と述べ、「マーケティングと営業を強化し、検査サービスとCROの需要を拡大していきます」と語りました。
中長期的な目標は、検査サービスの保険適用です。まず民間保険への適用可能性を検討し、様々ながん種で蓄積した臨床的根拠をもとに、健康保険の給付化に向けた基盤も整えるという構想です。
ク代表は、「自動化装置が生み出す再現性のあるデータを基に、患者一人ひとりに合わせた治療と製薬会社の新薬開発を共に支援するプラットフォーム企業として成長していく」と述べました。