[イーデイリー マーケットinYunJi Kim 記者] エクソンモービルやシェブロン、グローバル私募ファンド(PEF)運用会社のカーライルなど、世界的なエネルギー企業や投資会社が狙いを定めていたロシアの石油資産の買収合戦に、米国の億万長者が奇策を打ち出しました。西側諸国の制裁により取引が阻まれ、安値となったロシア企業の株式を買い取り、同企業の海外石油資産と交換するという構想です。 数十億ドル規模の凍結証券を買収代金として活用するという異例の取引方式が登場したことから、世界のM&A業界の関心が集まっています。
ロシア第2位の石油企業ルコイル。(写真=Google画像より)
5日、投資銀行(IB)業界などによると、米国の億万長者投資家トッド・ボーリー氏が率いるコンソーシアムは、ロシア第2位の石油企業ルコイルの海外資産買収に向けた証券交換取引を推進しています。
ボーリー氏は、米プロ野球のロサンゼルス・ドジャースやイングランドのプロサッカーチーム、チェルシーFCの共同オーナーとして知られる億万長者の投資家です。今回の買収戦では、アラブ首長国連邦(UAE)のインターナショナル・ホールディング・カンパニー(IHC)など、中東の投資家たちとコンソーシアムを結成して参加しました。
ボーリー・コンソーシアムの買収対象は、ルコイルが欧州や中東、アフリカなどに保有する油田や製油施設、ガソリンスタンドなどの事業資産です。 エクソンモービルやシェブロン、カーライルなど12社を超える企業や投資家たちは、ルコイルの海外事業で生産される原油が世界の生産量の約0.5%を占めるほど規模が大きいという点から、当該資産の買収に関心を示してきました。このうちカーライルは、去る1月にルコイルと買収契約まで締結しましたが、米国財務省の承認を得られなかったため、買収の推進を中止しました。
カーライルが米国政府の承認のハードルを越えられなかった中、ボーリー側は斬新な買収手法を打ち出しました。現金の代わりに、西側諸国の制裁により取引が阻まれているルコイルの株式を格安で買い取り、海外のエネルギー資産と交換するという構想です。このため、コンソーシアムを代理する銀行は、すでに西側の投資ファンドなどから数十億ドル規模のルコイル証券を買い取っています。 買収価格は、基準額1ドルあたり約30セントの水準です。他の買収希望者が制裁に足を引っ張られている中、ボーリー側は、制裁によって価値が下落した株式を、むしろ買収の手段として活用しようとしているわけです。
ルコイルの株式が破格の安値で取引されることになった背景には、ロシアによるウクライナ侵攻の影響があります。 戦争以前まで、ルコイルはグローバル投資ファンドが保有する主要なロシア株の一つでしたが、2022年の戦争勃発以降、ロシア株が主要な新興国株価指数から除外され、取引が制限されたことで、投資家の資金が長期にわたり凍結されました。西側の投資家にとっては処分しにくい資産が、ボーリー側にとっては大規模な石油資産を確保する手段となったわけです。
ただし、ボーリー側が提示した取引方式にも、米国による対ロシア制裁という障害が残っています。米国政府はルコイルの海外資産売却に向けた交渉は認めているものの、売却代金がロシア側に渡ることは制限しているため、買収側は制裁要件を満たす取引構造を整えなければならない状況です。 実際、米国は昨年10月にルコイルを制裁対象に加えたのに続き、12月には他の投資家たちが提案した同様の証券交換取引にも歯止めをかけました。現金の代わりに株式を支払うとしても、ルコイルが資産売却に伴う経済的利益を得ることに変わりはないという理由からです。
ボーリー側は、米国政府の制裁の壁を乗り越えるため、株式の支払い方法にも手を加えました。格安で買い取ったルコイルの株式を同社に直接譲渡する代わりに、別途のエスクロー口座に留保することにしたのです。株式の最終的な処分問題は制裁が解除された後に先送りし、まずはルコイルが当該株式にアクセスできないようにすることで、米国政府の承認を引き出そうという構想です。
一方、資本市場では、ボーリー側の構想が実際の取引につながるかどうかは未知数だという評価が出ています。エスクロー口座に凍結株式を預託する方式が米国の制裁規定に合致するかどうかを精査する必要があるため、今回の取引の成否は、買収価格や資金力よりも、米国政府が提案された取引構造を受け入れるかどうかにかかっているという分析です。
5日、投資銀行(IB)業界などによると、米国の億万長者投資家トッド・ボーリー氏が率いるコンソーシアムは、ロシア第2位の石油企業ルコイルの海外資産買収に向けた証券交換取引を推進しています。
ボーリー氏は、米プロ野球のロサンゼルス・ドジャースやイングランドのプロサッカーチーム、チェルシーFCの共同オーナーとして知られる億万長者の投資家です。今回の買収戦では、アラブ首長国連邦(UAE)のインターナショナル・ホールディング・カンパニー(IHC)など、中東の投資家たちとコンソーシアムを結成して参加しました。
ボーリー・コンソーシアムの買収対象は、ルコイルが欧州や中東、アフリカなどに保有する油田や製油施設、ガソリンスタンドなどの事業資産です。 エクソンモービルやシェブロン、カーライルなど12社を超える企業や投資家たちは、ルコイルの海外事業で生産される原油が世界の生産量の約0.5%を占めるほど規模が大きいという点から、当該資産の買収に関心を示してきました。このうちカーライルは、去る1月にルコイルと買収契約まで締結しましたが、米国財務省の承認を得られなかったため、買収の推進を中止しました。
カーライルが米国政府の承認のハードルを越えられなかった中、ボーリー側は斬新な買収手法を打ち出しました。現金の代わりに、西側諸国の制裁により取引が阻まれているルコイルの株式を格安で買い取り、海外のエネルギー資産と交換するという構想です。このため、コンソーシアムを代理する銀行は、すでに西側の投資ファンドなどから数十億ドル規模のルコイル証券を買い取っています。 買収価格は、基準額1ドルあたり約30セントの水準です。他の買収希望者が制裁に足を引っ張られている中、ボーリー側は、制裁によって価値が下落した株式を、むしろ買収の手段として活用しようとしているわけです。
ルコイルの株式が破格の安値で取引されることになった背景には、ロシアによるウクライナ侵攻の影響があります。 戦争以前まで、ルコイルはグローバル投資ファンドが保有する主要なロシア株の一つでしたが、2022年の戦争勃発以降、ロシア株が主要な新興国株価指数から除外され、取引が制限されたことで、投資家の資金が長期にわたり凍結されました。西側の投資家にとっては処分しにくい資産が、ボーリー側にとっては大規模な石油資産を確保する手段となったわけです。
ただし、ボーリー側が提示した取引方式にも、米国による対ロシア制裁という障害が残っています。米国政府はルコイルの海外資産売却に向けた交渉は認めているものの、売却代金がロシア側に渡ることは制限しているため、買収側は制裁要件を満たす取引構造を整えなければならない状況です。 実際、米国は昨年10月にルコイルを制裁対象に加えたのに続き、12月には他の投資家たちが提案した同様の証券交換取引にも歯止めをかけました。現金の代わりに株式を支払うとしても、ルコイルが資産売却に伴う経済的利益を得ることに変わりはないという理由からです。
ボーリー側は、米国政府の制裁の壁を乗り越えるため、株式の支払い方法にも手を加えました。格安で買い取ったルコイルの株式を同社に直接譲渡する代わりに、別途のエスクロー口座に留保することにしたのです。株式の最終的な処分問題は制裁が解除された後に先送りし、まずはルコイルが当該株式にアクセスできないようにすることで、米国政府の承認を引き出そうという構想です。
一方、資本市場では、ボーリー側の構想が実際の取引につながるかどうかは未知数だという評価が出ています。エスクロー口座に凍結株式を預託する方式が米国の制裁規定に合致するかどうかを精査する必要があるため、今回の取引の成否は、買収価格や資金力よりも、米国政府が提案された取引構造を受け入れるかどうかにかかっているという分析です。