K-pop

BTS不在の「アジアンポップ」の逆説…グラミー賞、体制刷新の案を検討中

新設の趣旨を擁護していたグラミー賞、半月で風向きが変わる BTSのボイコットを受け、業界の意見聴取や制度の見直しが行われる可能性 「アジアのための賞」なのか、「新たな警戒」なのか、議論が白熱しています

YUN GI BACK
2026-08-16 14:45:00
[イーデイリー スターinYUN GI BACK 記者] グループ「防弾少年団(BTS)」によるグラミー賞(Grammy Awards)のボイコットが、実際の制度変更の議論へとつながる雰囲気となっています。新設された「ベスト・アジアン・ポップ・ミュージック・パフォーマンス」(Best Asian Pop Music Performance)を擁護していたレコーディング・アカデミー(Recording Academy)が、約半月ぶりに同部門の再検討の可能性を示唆したためです。
2020年に開催された「第62回グラミー賞」でパフォーマンスを披露しているBTS。2年連続でグラミー賞に出席しましたが、受賞には至りませんでした。(写真=AFP)
米ビルボード(Billboard)が14日(現地時間)に伝えた内容によると、レコーディング・アカデミーの最高経営責任者(CEO)ハーヴィー・メイソン・ジュニア(Harvey Mason Jr.)氏は、最近の声明を通じて、一部のアーティストが新設部門が自分たちの音楽を適切に代表していないと感じている点を認めました。音楽家たちが尊重されていると感じられるよう努力すると述べ、新しい授賞部門を設ける手続きそのものを改善する可能性にも言及しました。
◇BTSのボイコットから約半月…変化したグラミー賞
今回の変化は、BTSが先月29日、グラミー賞に作品を出品しないと明らかにした後に発表されたという点で注目されます。当時、BTSは、音楽が地域や言語で区別されるのではなく、音楽そのものとして受け入れられることを望むというメッセージを発信しました。ロイター(Reuters)、ガーディアン(The Guardian)、ワシントン・ポスト(The Washington Post)などの主要な海外メディアも、これを「アジアン・ポップ」部門新設をめぐる論争と結びつけて報じました。
グラミー賞のロゴ。

当初、レコーディング・アカデミーは新設の趣旨を積極的に擁護していました。メイソンCEOは、アジアン・ポップ部門が音楽を「分離」しようとするものではなく、アジア音楽の多様性と優秀性を広めるためのものだと説明しました。同部門に応募しても、「アルバム・オブ・ザ・イヤー」(Album of the Year)などの主要な本賞の競争から除外されないという点も強調しました。
しかし、約半月で状況が一変しました。単なる趣旨の説明にとどまらず、部門の構成や新たな授賞部門を設ける手続きそのものを見直す可能性にも言及したのです。
現在、アカデミー側はHYBEをはじめ、K-POP、J-POP、C-POP、インド音楽界のアーティスト・レーベル・マネジメント関係者らと意見を交わしていると伝えられています。
『ローリング・ストーン』(Rolling Stone)も、グラミー賞の姿勢の変化に注目しました。BTSのボイコット直後までは、メイソンCEOが新設の趣旨を積極的に説明していましたが、最近では一部のアーティストが、当該部門が自分たちの音楽を適切に代表していないと感じている点を認めたと報じました。
NMEもまた、BTSのボイコット以降、グラミー賞がアジアン・ポップ部門を見直す可能性があるとの報道を行いました。BTSのエントリー拒否から約2週間後、グラミー賞が業界との対話を拡大し、制度そのものを検証し始めたことで、論争も単なる1組の不参加にとどまらず、授賞部門の妥当性という問題へと広がりつつあるようです。
防弾少年団(写真=ビッグヒットミュージック)

◇「アジアン・ポップ」の別枠分類、多様性か、それとも境界線か
争点は今や、「アジアの音楽のための賞が必要か」という段階を超え、「当事者であるアジアのアーティストたちが、その賞を自分たちのためのものとして受け入れるか」という点へと移りつつあります。アジアの音楽にスポットライトを当てるという趣旨であっても、肝心の音楽家たちが自分の音楽を適切に代表できていないと感じるのであれば、新設という大義名分だけでは論争を解消することは難しいでしょう。
BTSの選択が持つ意味もここにあります。何度もグラミー賞の候補に挙がり、受賞への希望も明らかにしてきたBTSが、そもそも競争に参加しないことで、論点は「BTSがグラミー賞を受賞できるか」から「グラミー賞がグローバル・ポップをどのような基準で分類するか」へと広がりました。
K-POPがすでにグローバルな音楽配信・アルバムチャートや大規模なコンサート市場において、主流のポップスと競合している状況下で、「アジア」という地域的な基準で別途の部門を設けることが、多様性の拡大なのか、それとも新たな境界線を作るのかが、今回の論争の本質と言えるでしょう。
まだレコーディング・アカデミーがアジアン・ポップ部門の廃止や改編を確定したわけではありません。ただ、新設の趣旨を擁護していた段階から、業界の意見を聞き、制度を再検討する段階へと移行したという変化は明らかです。今後、部門の名称や応募資格、審査基準などが実際に変更されるかどうかが、今回の論争の行方を左右する見通しです。

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