政治(国際)

「トランプ氏、金正恩氏に接近…韓国の核武装論を煽る可能性も」

韓米合同軍事演習が大幅に縮小、米メディアも一斉に批判 WSJ「金正恩氏への融和措置…対北朝鮮抑止力の弱体化」 AP通信「韓国・日本は弱まり、中国・北朝鮮は勢いづく…米国にとって利益を見出すのは難しい」

Jeong Su-young
2026-08-18 21:41:21
トランプ米大統領による「韓国叩き」への懸念が高まっています。米メディアも一斉にトランプ大統領の発言などを批判しています。写真はChatGPTが生成した関連画像です。
[イーデイリーJeong Su-young 記者] ドナルド・トランプ米大統領が、金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長との関係を理由に、米韓合同軍事演習を大幅に縮小する方針を打ち出したことを受け、米国の主要メディアからは、米韓同盟や対北朝鮮抑止力が弱まるのではないかという懸念が相次いでいます。特に、同盟国である韓国に圧力をかける一方で、北朝鮮には譲歩しているように見えるという批判が出ています。

18日(現地時間)、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は社説で、「トランプ氏、金正恩氏に再び接近」と題する論説を通じ、トランプ大統領による韓米合同演習縮小の決定が「対北朝鮮抑止力と準備態勢を弱体化させるシグナル」だと批判しました。北朝鮮が毎年合同演習に反発してきた点を挙げ、今回の決定は事実上、金委員長をなだめるための融和措置だと評価しました。

トランプ大統領はこれに先立ち、米韓合同軍事演習を「大幅に縮小せよ」と米国防総省に指示し、金委員長との「非常に良好な関係」を理由に挙げました。北朝鮮は自身が大統領在任中、脅威となることなく米国を尊重してきたにもかかわらず、合同軍事演習が敵対的なシグナルを送りかねないという主張です。韓国が米国のイラン非核化への取り組みに加わらなかったことへの不満も併せて示しました。

米AP通信はこの日、さらに一歩踏み込んで、今回の決定が単なる韓米関係の問題ではなく、米国のアジアにおける安全保障上の利益全般に対する懸念を招いていると分析しました。APは、「トランプ大統領が同盟国である韓国よりも北朝鮮の立場を配慮しているかのような決定を下したことで、韓国だけでなく、日本や台湾、北大西洋条約機構(NATO・ナトー)の同盟国に対しても、米国の安全保障上の公約に対する不安感を高めている」と報じました。

ジョージ・W・ブッシュ政権で国務省欧州担当次官補を務めたダン・フリード氏はAPに対し、「米国の国益を見いだすのは難しい」という趣旨で評価し、韓国と日本を弱体化させ、台湾とNATOを不安にさせる一方で、中国と北朝鮮には力を与える決定だと指摘しました。 バラク・オバマ政権で東アジア・太平洋担当次官補を務めたダニー・ラッセル氏も、「同盟国を罰しつつ敵を鼓舞する」という逆転したアプローチだと批判しました。

米国の外交専門誌『フォーリン・ポリシー(FP)』も、「トランプ氏は北朝鮮より韓国を選んでいるのか」というタイトルの記事を通じて、トランプ大統領が平壌をなだめるためにソウルとの合同演習を縮小していると指摘しました。 トランプ大統領が第1期政権時に用いた「演習縮小を通じた対北朝鮮交渉」というカードを再び切り出しましたが、当時とは異なり、北朝鮮の核・ミサイル能力が大幅に高度化しているという点で、リスクがさらに高まったとの指摘があります。

ロイター通信もまた、トランプ大統領の決定により「70年以上続いてきた韓米同盟が再び試練にさらされた」と評価しました。特に、2018年のシンガポールでの米朝首脳会談以降も、トランプ大統領が大規模な韓米合同演習を中止または縮小したものの、北朝鮮の非核化交渉は結局決裂し、その後、北朝鮮の核・ミサイル能力はむしろ拡大したという点に注目しました。最近では、北朝鮮がロシアとの軍事協力まで強化しており、第1期当時よりも安全保障環境がさらに悪化しているということです。

米メディアは、今回の決定が韓国国内の自主核武装論を刺激する可能性にも注目しています。AP通信は、米国の拡張抑止に対する信頼が揺らぐ場合、韓国が核兵器を独自に保有すべきだという世論がさらに強まる可能性があるという、元外交・安保当局者らの分析を伝えました。WSJもまた、米国が信頼できない同盟国であるという認識がアジアや欧州で広がる場合、韓国による独自の核抑止力の確保を求める主張が勢いを得る可能性があると見通しました。

中国が副次的利益を得られる可能性があるという分析も共通して提起されました。米軍が中東での戦力運用負担を理由に西太平洋の空母戦力を調整している状況で、韓米合同演習まで縮小すれば、中国が域内諸国に対し、「米国の安全保障公約を信じがたい」という主張を強める可能性があるということです。WSJは、中国が最近、台湾や日本、フィリピンを相手に軍事的圧力を強めている状況であるという点も指摘しました。

結局、米メディアの問題提起は、トランプ大統領が米朝対話の再開に向けた突破口を開けるかどうかという点よりも、その過程で「同盟を弱体化させながら、北朝鮮に先に譲歩する形になってしまった」という点に集中しています。2018年とは異なり、北朝鮮の核戦力は一段と高度化し、北朝鮮とロシアの軍事協力まで強化された状況下で、過去と同様の演習縮小というカードを再び切り出したことに対する警戒感が高まっているようです。

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