「見たよ」は、話題の映画を実際に鑑賞し、率直な感想や見どころをお伝えするレビューコーナーです。<編集部注>
[イーデイリー スターinYUN GI BACK 記者] 歯科診療用の椅子に横たわった老人の口の中を覗き込んでいた歯科衛生士のジェマ(アメリア・イヴ)。歯の間に何かを発見します。髪の毛です。慎重に引っ張ると、一本、二本と、きりなく抜けてきます。ついには手まで口の中に入れてしまった瞬間、歯の内側に隠れていたもう一つの歯が指をガブリと噛み付きます。
映画『インシディアス:彼らが越えてきた』の一場面。(写真=ソニー・ピクチャーズ)
『インシディアス:彼らがやって来た』がどのような映画であるかは、このシーン一つで十分に説明できます。不気味で、不快で、何よりも本格的に怖いのです。上映時間中、あらゆる背筋が凍るようなシーンが次から次へと続きます。まるでホラーハウスに入ったかと思うと、出口まで幽霊たちが列をなして待っているような感覚です。
『インシディアス:彼らがやって来た』は、死者の領域「ザ・ムーン」の邪悪な存在たちが、人間の世界へ渡る通路を探し求める中で繰り広げられる物語です。 平凡な日常を送っていたジェマと娘のマヤの周囲に、ある日突然、悪霊の幻影が出現し始め、ジェマは霊媒師のエリス(リン・シャイ)を通じて、自分が「ザ・ファー・サイド」の悪霊たちを現実に呼び寄せる「運び手」であるという事実を知ることになります。
この映画が選んだのは、変奏よりも正攻法です。シリーズが長年にわたり磨き上げてきたジャンプスケア(突然驚かせること)の定石を忠実に踏襲しています。音が静まり、カメラがゆっくりと動き、画面の隅に不審な空白が生まれます。「そろそろ出てくるだろう」と思った瞬間に、必ず現れます。しかし、分かっていても驚かされてしまいます。
映画『インシディアス:彼らが越えてきた』の一場面。(写真=ソニー・ピクチャーズ)
予測可能な恐怖は物足りなく感じられるかもしれませんが、『インシディアス』はその慣れ親しんだ要素を、確かな力量で押し通します。単に大きな音や突然の登場で驚かせるだけでなく、不気味なイメージや不快な質感を着実に積み重ねていきます。そのおかげで、一度のジャンプスケアが与える衝撃も重みがあります。まさに的を射ており、その衝撃は強烈です。
空間を巧みに活用する手腕も相変わらずです。みすぼらしい家から歯科医院、250個のクッションで作られた枕の要塞に至るまで、平凡であるべき、あるいは安らぎのあるはずの場所が、瞬く間に恐怖の空間へと変貌します。特に、日常で馴染み深い場所であるほど、その不気味さは倍増します。「どこから飛び出してくるのか」と待ちわびさせる空間設計そのものが、恐怖の一部となっているのです。
新たな主人公ジェマと、シリーズの象徴であるエリスの出会いも嬉しいですね。「より遠い場所」の危険を誰よりもよく知るエリスと、自分でも知らなかった能力のせいで事件に巻き込まれたジェマを組み合わせることで、既存の世界観を引き継ぎつつ、新たな物語を切り開きました。シリーズのファンには親しみやすさを、初めて触れる観客には比較的入りやすい入り口を提供しています。
さらに、「リップスティック・フェイス」をはじめ、「ブラック・ブライド」、「ストーン・ガール」、「キー・フェイス」など、シリーズを代表する悪霊たちが次々と登場し、新たな悪霊サイラスまで加わります。まさに「悪霊アベンジャーズ」です。個々の悪霊一つに集中していた恐怖を群れとして押し寄せることで、視覚的なスケールと圧迫感を同時に高めました。
映画『インシディアス:彼らがやって来た』の一場面。(写真=ソニー・ピクチャーズ)
最近、劇場ではそれぞれ新しい設定や形式を打ち出したホラー映画が相次いでいます。その中で、『インシディアス:彼らがやって来た』の選択は、むしろ堅実です。新しい方法で怖がらせようと苦心するよりも、自分たちが何で観客を驚かせてきたのかを正確に理解しています。予想した瞬間に飛び出し、出てくることは分かっていても思わず身構えてしまうのです。
だからこそ、『インシディアス:彼らがやって来た』は馴染み深いものの、決して侮れません。不気味な映像、不快な空間、絶妙なタイミングのジャンプスケアを、息つく暇もなく浴びせてきます。「根源的な恐怖」がなぜ恐ろしいのか、しっかりと見せてくれます。ジェイコブ・チェイス監督。上映時間105分44秒。8月20日公開。
[イーデイリー スターinYUN GI BACK 記者] 歯科診療用の椅子に横たわった老人の口の中を覗き込んでいた歯科衛生士のジェマ(アメリア・イヴ)。歯の間に何かを発見します。髪の毛です。慎重に引っ張ると、一本、二本と、きりなく抜けてきます。ついには手まで口の中に入れてしまった瞬間、歯の内側に隠れていたもう一つの歯が指をガブリと噛み付きます。
『インシディアス:彼らがやって来た』がどのような映画であるかは、このシーン一つで十分に説明できます。不気味で、不快で、何よりも本格的に怖いのです。上映時間中、あらゆる背筋が凍るようなシーンが次から次へと続きます。まるでホラーハウスに入ったかと思うと、出口まで幽霊たちが列をなして待っているような感覚です。
『インシディアス:彼らがやって来た』は、死者の領域「ザ・ムーン」の邪悪な存在たちが、人間の世界へ渡る通路を探し求める中で繰り広げられる物語です。 平凡な日常を送っていたジェマと娘のマヤの周囲に、ある日突然、悪霊の幻影が出現し始め、ジェマは霊媒師のエリス(リン・シャイ)を通じて、自分が「ザ・ファー・サイド」の悪霊たちを現実に呼び寄せる「運び手」であるという事実を知ることになります。
この映画が選んだのは、変奏よりも正攻法です。シリーズが長年にわたり磨き上げてきたジャンプスケア(突然驚かせること)の定石を忠実に踏襲しています。音が静まり、カメラがゆっくりと動き、画面の隅に不審な空白が生まれます。「そろそろ出てくるだろう」と思った瞬間に、必ず現れます。しかし、分かっていても驚かされてしまいます。
予測可能な恐怖は物足りなく感じられるかもしれませんが、『インシディアス』はその慣れ親しんだ要素を、確かな力量で押し通します。単に大きな音や突然の登場で驚かせるだけでなく、不気味なイメージや不快な質感を着実に積み重ねていきます。そのおかげで、一度のジャンプスケアが与える衝撃も重みがあります。まさに的を射ており、その衝撃は強烈です。
空間を巧みに活用する手腕も相変わらずです。みすぼらしい家から歯科医院、250個のクッションで作られた枕の要塞に至るまで、平凡であるべき、あるいは安らぎのあるはずの場所が、瞬く間に恐怖の空間へと変貌します。特に、日常で馴染み深い場所であるほど、その不気味さは倍増します。「どこから飛び出してくるのか」と待ちわびさせる空間設計そのものが、恐怖の一部となっているのです。
新たな主人公ジェマと、シリーズの象徴であるエリスの出会いも嬉しいですね。「より遠い場所」の危険を誰よりもよく知るエリスと、自分でも知らなかった能力のせいで事件に巻き込まれたジェマを組み合わせることで、既存の世界観を引き継ぎつつ、新たな物語を切り開きました。シリーズのファンには親しみやすさを、初めて触れる観客には比較的入りやすい入り口を提供しています。
さらに、「リップスティック・フェイス」をはじめ、「ブラック・ブライド」、「ストーン・ガール」、「キー・フェイス」など、シリーズを代表する悪霊たちが次々と登場し、新たな悪霊サイラスまで加わります。まさに「悪霊アベンジャーズ」です。個々の悪霊一つに集中していた恐怖を群れとして押し寄せることで、視覚的なスケールと圧迫感を同時に高めました。
最近、劇場ではそれぞれ新しい設定や形式を打ち出したホラー映画が相次いでいます。その中で、『インシディアス:彼らがやって来た』の選択は、むしろ堅実です。新しい方法で怖がらせようと苦心するよりも、自分たちが何で観客を驚かせてきたのかを正確に理解しています。予想した瞬間に飛び出し、出てくることは分かっていても思わず身構えてしまうのです。
だからこそ、『インシディアス:彼らがやって来た』は馴染み深いものの、決して侮れません。不気味な映像、不快な空間、絶妙なタイミングのジャンプスケアを、息つく暇もなく浴びせてきます。「根源的な恐怖」がなぜ恐ろしいのか、しっかりと見せてくれます。ジェイコブ・チェイス監督。上映時間105分44秒。8月20日公開。