[イーデイリーKIM SAE-MI 記者] 「私たちは、誰も通ったことのない道に初めて挑戦するのです。」
アリバイオの米国支社長であるフレッド・キム氏は9日、ソウル中区のKGタワー内KGハーモニーホールで開催されたイーデイリーの「Kバイオ・ディール・サミット」(K-Bio Deal Summit 2026)において、アリバイオがアルツハイマー病治療薬のグローバル第3相臨床試験まで自ら進めてきた背景について、このように述べました。 同日、キム支社長は「経口アルツハイマー病治療薬AR1001のグローバル臨床開発の道のりと商業化戦略」をテーマに発表を行いました。
AR1001は、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤系に属する、1日1回経口投与の初期アルツハイマー病治療薬候補物質です。アリバイオは、グローバル第3相臨床試験「ポラリス-AD」(POLARIS-AD)を完了し、現在データクリーニングを進めています。
「レケンビ」(Leqembi)や「キスンラ」(Kisunla)など、既存のアルツハイマー病治療薬がアミロイドの除去に焦点を当てているのとは異なり、AR1001は多重メカニズムアプローチを採用しました。 PDE5阻害を通じて、脳血流の増加や神経細胞の保護、神経成長因子・脳由来神経栄養因子(BDNF)の増加、タウタンパク質の過剰リン酸化の抑制などを同時に目指しています。
アリバイオが自らグローバル第3相試験まで進めたのは、PDE5阻害を活用したアルツハイマー病治療が大手製薬企業にとって馴染みの薄いアプローチであるため、自ら臨床試験でその可能性を実証する必要があったからです。キム支社長は、「米国の第2相臨床試験において、長期投与の安全性とバイオマーカーの改善、一部の患者群における認知機能の改善を確認しました」とし、「これを踏まえて、第3相臨床試験で自ら実証することにした」と説明しました。
AR1001のグローバル第3相臨床試験の成否は、来る11月に輪郭が明らかになる見通しです。キム支社長は、「現在、データクリーニングを進めており、11月中旬にアルツハイマー病臨床試験学会(CTAD)でグローバル第3相試験のトップライン結果を口頭発表する予定」とし、「私たちも毎日、胸を躍らせながら過ごしています」と述べました。 続いて、「来年第2四半期に米国食品医薬品局(FDA)へ新薬承認申請(NDA)を提出する計画です」と付け加えました。
アリバイオは、AR1001にとどまらず、退行性脳疾患全般を網羅する統合ソリューション企業へと飛躍するという構想です。キム支社長は、「AR1001一本の会社として知られていますが、実は脳疾患に対する統合ソリューションを開発しようとするバイオ企業です」とし、「経口治療薬として患者の負担を軽減するだけでなく、診断も簡便にし、治療へのアクセス性を高めたい」と強調しました。
今後は、血管性認知症やパーキンソン病などへ適応症を拡大し、後続の新薬やバイオマーカー、医療機器の開発も並行して進め、診断から治療までを網羅する脳疾患プラットフォームを構築するという戦略です。