[ニューヨーク=イーデイリーKim Sang-yoon 記者] 李在明大統領が国連総会で提示した朝鮮半島構想の核心は、非核化を放棄したのではなく、非核化に至る順序を変えた点にあります。北朝鮮が核兵器を完全に廃棄して初めて対話と補償が可能だという従来のアプローチから脱却し、核・ミサイル能力のさらなる高度化をまず停止させ、縮小を経て「核のない朝鮮半島」へと進んでいくという現実的な段階論です。
北朝鮮が事実上、核保有国に匹敵する能力を確保した状況下で、完全な非核化を交渉の入り口として固執すれば、何の進展も得られないという判断が根底にあります。李大統領はこれに先立ち、ニューヨーク・タイムズ(NYT)やAP通信とのインタビューでも、北朝鮮の核・ミサイル開発の中断を出発点として、削減と廃棄へとつなげていくべきだという構想を明らかにしていました。今回の国連総会での演説を通じて、これを政府の対北朝鮮政策の路線として国際社会に公式に示したことになります。
李在明(イ・ジェミョン)大統領が22日(現地時間)、米国ニューヨークの国連本部総会場で基調演説を行っています。(写真=聯合ニュース)
◇非核化だけを切り離さず、終戦・関係正常化とともに議論
李大統領は22日(現地時間)、米国ニューヨークの国連本部で開かれた第81回国連総会の基調演説で、「何よりも最も核心的な課題は、朝鮮半島の長きにわたる戦争に終止符を打ち、平和体制を構築することだ」と述べました。
その上で、「大韓民国は、長い間停滞していた米朝対話が速やかに再開され、朝鮮半島の戦争終結と平和体制への転換に向けた当事者間の対話へと発展できる足場を築いていく」と強調しました。
イ大統領が提示した解決策の核心は、非核化に至る順序を変えた点にあります。同大統領は、「まず北朝鮮側の核・ミサイル能力の高度化を停止させ、中期的には縮小を経て、長期的には核のない朝鮮半島へと向かっていくことができるだろう」と述べました。
非核化という最終目標は維持しつつも、北朝鮮が核兵器をすべて廃棄して初めて対話と補償が可能だというアプローチから脱却し、さらなる核能力の拡大をまず止め、段階的に削減を誘導するという構想です。北朝鮮の核問題に関する交渉を非核化のみに限定せず、戦争の終結や米朝関係の正常化、平和体制の構築、北東アジアの多国間協力と併せて推進するという意味も込められています。
李大統領は、朝鮮半島の平和共存の方向性として、三つの青写真を提示しました。南北が相互に体制を尊重し、違いを認めつつ共同成長を模索する「包摂的な平和共存」、コミュニケーションのチャンネルを回復し、危機や葛藤を制御する「安定的な平和共存」、核と戦争のない朝鮮半島を超え、北東アジアと世界の平和に寄与する「責任ある平和共存」です。
李大統領は「国際舞台においても北朝鮮側を尊重し、協力すべきことは協力していく」と述べ、保健・災害・気候危機などの分野で協力の道を開く意向も明らかにしました。当面の統一や一括的な非核化よりも、衝突防止と平和共存のための制度的仕組みをまず回復するというアプローチと解釈されます。
李大統領は、南北が35年前に国連に同時加盟した事実にも言及しました。当時の同時加盟が、分断以降続いてきた競争と対決から脱却し、平和共存の基盤を築くきっかけとなったと評価し、国連と安全保障理事会に対し、朝鮮半島の平和体制構築の過程において、再び責任ある建設的な役割を果たすよう要請しました。
国連演説に先立ち公開されたニューヨーク・タイムズ紙(NYT)のインタビューでは、段階的なアプローチに必要な具体的な交換条件も提示しました。李大統領は、「どうせ特に効果的ではない制裁と、追加の核兵器および大陸間弾道ミサイル(ICBM)技術の開発中断とを引き換えることには、相当な価値がある」と述べました。
制裁を一部緩和する見返りとして、北朝鮮の核・ミサイル開発をまず凍結し、相互のインセンティブと譲歩を通じて信頼を築き、核兵器の削減と廃棄へと進めていくという構想です。李大統領は「現在の状況で非核化を目標とすることは、何も達成できないことを保証するようなものだ」と述べ、従来のアプローチの限界も指摘しました。
このような構想には、北朝鮮の核能力が交渉では元に戻せないレベルにまで拡大する前に、さらなる高度化を阻止しなければならないという危機感が根底にあります。李大統領は、北朝鮮が毎年10~20発の核兵器を追加生産する能力を備えているか、あるいはすでに生産している可能性があるという政府の推定も紹介しました。また、北朝鮮が十分な核兵器とミサイルを確保したと判断すれば、これらを輸出しようとする恐れもあるとの懸念も示しました。
李在明大統領が22日(現地時間)、米国ニューヨークの国連本部総会場で基調演説を行っています。(写真=聯合ニュース)
◇トランプ氏が対話の扉を開けば、韓国は「ペースメーカー」
段階的な非核化構想のもう一つの軸は、ドナルド・トランプ米大統領です。李大統領は国連演説で、「最近のトランプ大統領の決断」によって変化の可能性が生まれたと評価しました。ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)のインタビューでも、金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長を再び交渉の場に引き戻せる指導者はトランプ大統領だけだという認識を示しました。
トランプ大統領が金委員長との個人的な関係を活かして米朝対話を再開すれば、韓国がこれを非核化と終戦、平和体制の構築へとつなげる「ペースメーカー」の役割を果たすという戦略です。李大統領は、「わが政府は朝鮮半島の平和の当事者であり、ペースメーカーとして、対話の道を開き、またそれを継続するために全力を尽くす」と述べました。
鍵となるのは、北朝鮮の反応と韓米間の政策調整です。北朝鮮は南北関係を「敵対的な二国間関係」と規定し、韓国を対話相手から排除しています。ロシア・中国との関係強化により、金委員長が過去よりも有利な条件を要求する可能性もあります。この日、李大統領の演説の最中、北朝鮮の外交官たちは席に同席していなかったと伝えられています。
核凍結の範囲と検証方式、北朝鮮の措置に見合う形で緩和する制裁の種類と時期も具体化しなければなりません。核凍結が非核化へ至る中間段階ではなく、北朝鮮の核保有を事実上認める終着点となり得るという懸念を解消することも課題です。
李大統領は、交渉の条件が以前より悪化したとしても、外交以外に現実的な代案はないという判断を下しました。トランプ大統領が米朝対話を再開し、北朝鮮が追加の核開発中止に応じれば、「高度化の中止→縮小→核のない朝鮮半島」という構想も動き出すものと見られます。
北朝鮮が事実上、核保有国に匹敵する能力を確保した状況下で、完全な非核化を交渉の入り口として固執すれば、何の進展も得られないという判断が根底にあります。李大統領はこれに先立ち、ニューヨーク・タイムズ(NYT)やAP通信とのインタビューでも、北朝鮮の核・ミサイル開発の中断を出発点として、削減と廃棄へとつなげていくべきだという構想を明らかにしていました。今回の国連総会での演説を通じて、これを政府の対北朝鮮政策の路線として国際社会に公式に示したことになります。
◇非核化だけを切り離さず、終戦・関係正常化とともに議論
李大統領は22日(現地時間)、米国ニューヨークの国連本部で開かれた第81回国連総会の基調演説で、「何よりも最も核心的な課題は、朝鮮半島の長きにわたる戦争に終止符を打ち、平和体制を構築することだ」と述べました。
その上で、「大韓民国は、長い間停滞していた米朝対話が速やかに再開され、朝鮮半島の戦争終結と平和体制への転換に向けた当事者間の対話へと発展できる足場を築いていく」と強調しました。
イ大統領が提示した解決策の核心は、非核化に至る順序を変えた点にあります。同大統領は、「まず北朝鮮側の核・ミサイル能力の高度化を停止させ、中期的には縮小を経て、長期的には核のない朝鮮半島へと向かっていくことができるだろう」と述べました。
非核化という最終目標は維持しつつも、北朝鮮が核兵器をすべて廃棄して初めて対話と補償が可能だというアプローチから脱却し、さらなる核能力の拡大をまず止め、段階的に削減を誘導するという構想です。北朝鮮の核問題に関する交渉を非核化のみに限定せず、戦争の終結や米朝関係の正常化、平和体制の構築、北東アジアの多国間協力と併せて推進するという意味も込められています。
李大統領は、朝鮮半島の平和共存の方向性として、三つの青写真を提示しました。南北が相互に体制を尊重し、違いを認めつつ共同成長を模索する「包摂的な平和共存」、コミュニケーションのチャンネルを回復し、危機や葛藤を制御する「安定的な平和共存」、核と戦争のない朝鮮半島を超え、北東アジアと世界の平和に寄与する「責任ある平和共存」です。
李大統領は「国際舞台においても北朝鮮側を尊重し、協力すべきことは協力していく」と述べ、保健・災害・気候危機などの分野で協力の道を開く意向も明らかにしました。当面の統一や一括的な非核化よりも、衝突防止と平和共存のための制度的仕組みをまず回復するというアプローチと解釈されます。
李大統領は、南北が35年前に国連に同時加盟した事実にも言及しました。当時の同時加盟が、分断以降続いてきた競争と対決から脱却し、平和共存の基盤を築くきっかけとなったと評価し、国連と安全保障理事会に対し、朝鮮半島の平和体制構築の過程において、再び責任ある建設的な役割を果たすよう要請しました。
国連演説に先立ち公開されたニューヨーク・タイムズ紙(NYT)のインタビューでは、段階的なアプローチに必要な具体的な交換条件も提示しました。李大統領は、「どうせ特に効果的ではない制裁と、追加の核兵器および大陸間弾道ミサイル(ICBM)技術の開発中断とを引き換えることには、相当な価値がある」と述べました。
制裁を一部緩和する見返りとして、北朝鮮の核・ミサイル開発をまず凍結し、相互のインセンティブと譲歩を通じて信頼を築き、核兵器の削減と廃棄へと進めていくという構想です。李大統領は「現在の状況で非核化を目標とすることは、何も達成できないことを保証するようなものだ」と述べ、従来のアプローチの限界も指摘しました。
このような構想には、北朝鮮の核能力が交渉では元に戻せないレベルにまで拡大する前に、さらなる高度化を阻止しなければならないという危機感が根底にあります。李大統領は、北朝鮮が毎年10~20発の核兵器を追加生産する能力を備えているか、あるいはすでに生産している可能性があるという政府の推定も紹介しました。また、北朝鮮が十分な核兵器とミサイルを確保したと判断すれば、これらを輸出しようとする恐れもあるとの懸念も示しました。
◇トランプ氏が対話の扉を開けば、韓国は「ペースメーカー」
段階的な非核化構想のもう一つの軸は、ドナルド・トランプ米大統領です。李大統領は国連演説で、「最近のトランプ大統領の決断」によって変化の可能性が生まれたと評価しました。ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)のインタビューでも、金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長を再び交渉の場に引き戻せる指導者はトランプ大統領だけだという認識を示しました。
トランプ大統領が金委員長との個人的な関係を活かして米朝対話を再開すれば、韓国がこれを非核化と終戦、平和体制の構築へとつなげる「ペースメーカー」の役割を果たすという戦略です。李大統領は、「わが政府は朝鮮半島の平和の当事者であり、ペースメーカーとして、対話の道を開き、またそれを継続するために全力を尽くす」と述べました。
鍵となるのは、北朝鮮の反応と韓米間の政策調整です。北朝鮮は南北関係を「敵対的な二国間関係」と規定し、韓国を対話相手から排除しています。ロシア・中国との関係強化により、金委員長が過去よりも有利な条件を要求する可能性もあります。この日、李大統領の演説の最中、北朝鮮の外交官たちは席に同席していなかったと伝えられています。
核凍結の範囲と検証方式、北朝鮮の措置に見合う形で緩和する制裁の種類と時期も具体化しなければなりません。核凍結が非核化へ至る中間段階ではなく、北朝鮮の核保有を事実上認める終着点となり得るという懸念を解消することも課題です。
李大統領は、交渉の条件が以前より悪化したとしても、外交以外に現実的な代案はないという判断を下しました。トランプ大統領が米朝対話を再開し、北朝鮮が追加の核開発中止に応じれば、「高度化の中止→縮小→核のない朝鮮半島」という構想も動き出すものと見られます。