[イーデイリーKim Seung-kwon 記者] 「韓国のAI医療技術に驚かされました。正確かつ明確な客観的指標が自動的に提示されれば、脳卒中の診療現場における医療スタッフの負担を大幅に軽減することができます。日本でも大きな役割を果たせるものと思われます」
日本医科大学神経内科の坂本由紀教授は、医療画像人工知能(AI)が急性脳卒中の診療において担うことになる役割をこのように要約しました。同氏は、JLK, Inc.(322510)のMRI解析ソリューション「JLK-DWI」を日本人の患者データを用いて直接検証した研究を主導した人物であり、日本では脳卒中の権威として知られています。 ファーム・デイリーは、日本の神経内科の専門家が考える脳卒中分野における医療AIの実用性について、書面インタビューを通じて掘り下げました。
日本医科大学神経内科の坂本由紀教授
韓国の医療AI企業が海外で最も頻繁に直面する壁は、「現地データ」です。人種や機器、撮影プロトコルが異なる環境でも同等の性能が発揮されるかどうかを、現地の医療スタッフが確認してくれなければ、導入の議論がなかなか進まないのが現実です。
こうした状況下で、研究の出発点は現場の長年の課題でした。DWI(拡散強調画像)で確認される脳梗塞病変の体積は、急性期治療の可否を分ける重要な指標ですが、人が直接測定しようとすると、相当な時間と労力がかかります。一刻を争う急性期診療において、病変の定量化が常に課題として残っていた背景です。
坂本教授の研究チームは、この作業をAIが代行できるかどうかを確認するため、血栓除去術を受けた急性脳卒中患者371名のDWI画像677件をJLK-DWIで分析しました。その結果、AIによる自動測定値は、脳卒中専門医による手動測定と高い一致度を示しました。患者の予後を予測する性能も、専門医の測定と同等の水準であることが明らかになりました。 研究結果は、国際学術誌『神経科学ジャーナル』に掲載されました。JLKによる自社試験ではなく、日本の大学病院の研究チームが自国の患者データを用いて実施した検証であるという点から、現地の医療界内部による評価に近いとの見方が出ています。
坂本教授は、実際に使用してみた感想について「概ね肯定的」と評しました。坂本教授は、「JLK-DWIは直感的で操作しやすく、自動分析の結果も理解しやすい形で提示された」と評価しました。
単なる読影補助にとどまらず、患者の搬送経路そのものを変えることができるという診断です。脳卒中は、治療可能な時間内に適切な処置が可能な病院へ患者を搬送することが鍵となる疾患です。血栓除去術は、閉塞した血管を再び開通させる再灌流療法であるため、損傷した脳組織の範囲をどれだけ迅速かつ正確に把握できるかが、処置の適応可否に直結します。 病変体積という客観的な数値が初期段階で把握できれば、転院の可否や転院先を判断する時間が短縮されるという意味に解釈されます。
実際、同氏は、定量化された体積情報が、個々の患者の治療決定にとどまらず、診療の流れ全体を変える可能性があると見ました。坂本教授は、「定量化された脳梗塞の体積が提示されれば、急性期の治療適応の有無をより容易かつ明確に判断できる」とし、「再灌流療法のための院内連携や病院間の患者転院など、治療の流れを最適化し、患者の治療結果の改善につながる可能性がある」と説明しました。
JLKの日本における販売網の見通し(写真=JLK)
坂本教授が日本市場の潜在力として挙げたのは、MRIのインフラです。同教授は、「日本はMRIの設置台数が非常に多く、地方の医療機関にもMRI装置を備えた病院やクリニックが多い」とし、「MRIを基盤とした医療画像AIが、日本の脳卒中診療において大きな役割を果たすことができるだろう」と述べました。
実際、日本は人口に対するMRIの普及率が世界トップクラスです。急性期脳卒中患者が病院に到着すると、コンピュータ断層撮影(CT)ではなくMRI DWIを標準的に撮影する病院が多く、CT中心の米国・欧州とは診療構造そのものが異なります。CTベースのソリューションに重きを置いてきた韓国国内の業界構造において、MRI分析能力を備えた企業には、むしろ参入の余地が開かれていると言えます。
専門医不足に悩む地域医療における活用も、同氏が強調した点です。坂本教授は、「信頼できる医療画像AIがあれば、急性期脳卒中の診療に熟練した専門医でなくても、診断や治療適応の可否の判断、予後の予測などの支援を受けることができます」とし、「特に医療資源が限られている地方や離島地域で有用になるでしょう」と述べました。
日本は急速な高齢化により脳卒中の管理負担が増大していますが、急性期の脳卒中を扱える専門人材は十分ではありません。AIが専門医に取って代わるのではなく、専門医の手が届かない地域の空白を埋めることに重点が置かれているわけです。機器はあるものの、読影人材が不足している地域の医療機関が、医療画像AIの第一の需要先となり得るという見方も、同じ文脈にあります。
ただし、同氏は、医療画像AIが現場に定着するためには、乗り越えるべきハードルがあると指摘しました。 技術的な安全性と現地での臨床検証、そして報酬体系です。坂本教授は、「医療画像は機密性の高い医療情報であるだけに、サーバーの運用や病院システムとの連携過程において安全性を確保しなければならない」とし、「日本人患者を対象に、AI分析と専門医の評価の一致性を検証し、診療報酬などを通じて技術の価値が認められる環境も必要です」と強調しました。
これら3つの条件はいずれも、製品の性能とは性質の異なる問題です。特に報酬体系は、医療AIが「試してみる価値のある技術」から「病院が導入する理由のある技術」へと移行する分岐点として挙げられています。分析結果がどれほど正確であっても、診療報酬として報われなければ、病院の立場から見て導入のインセンティブは高くないという点こそ、国内業界がすでに経験してきた構造的な制約でもあります。
JLKは、これらの条件を一つずつ整えながら、日本への進出を準備してきました。同社は、「JLK-CTP」、「JLK-PWI」、「JLK-NCCT」、「JLK-FLAIR」などの脳卒中AIソリューションについて、日本の医薬品医療機器総合機構(PMDA)の承認を取得しました。
JLKの関係者は、「今回の研究のように、日本人患者を対象とした現地での検証根拠も蓄積しています」とし、「現地の流通パートナーとの協力、病院の画像システムとの連携、保険適用の検討を踏まえ、MRIを中心とした日本の脳卒中市場への攻略を加速させる計画です」と述べました。
日本医科大学神経内科の坂本由紀教授は、医療画像人工知能(AI)が急性脳卒中の診療において担うことになる役割をこのように要約しました。同氏は、JLK, Inc.(322510)のMRI解析ソリューション「JLK-DWI」を日本人の患者データを用いて直接検証した研究を主導した人物であり、日本では脳卒中の権威として知られています。 ファーム・デイリーは、日本の神経内科の専門家が考える脳卒中分野における医療AIの実用性について、書面インタビューを通じて掘り下げました。
「AIによる測定、専門医と同等」…患者371名・画像677件が導き出した答え
韓国の医療AI企業が海外で最も頻繁に直面する壁は、「現地データ」です。人種や機器、撮影プロトコルが異なる環境でも同等の性能が発揮されるかどうかを、現地の医療スタッフが確認してくれなければ、導入の議論がなかなか進まないのが現実です。
こうした状況下で、研究の出発点は現場の長年の課題でした。DWI(拡散強調画像)で確認される脳梗塞病変の体積は、急性期治療の可否を分ける重要な指標ですが、人が直接測定しようとすると、相当な時間と労力がかかります。一刻を争う急性期診療において、病変の定量化が常に課題として残っていた背景です。
坂本教授の研究チームは、この作業をAIが代行できるかどうかを確認するため、血栓除去術を受けた急性脳卒中患者371名のDWI画像677件をJLK-DWIで分析しました。その結果、AIによる自動測定値は、脳卒中専門医による手動測定と高い一致度を示しました。患者の予後を予測する性能も、専門医の測定と同等の水準であることが明らかになりました。 研究結果は、国際学術誌『神経科学ジャーナル』に掲載されました。JLKによる自社試験ではなく、日本の大学病院の研究チームが自国の患者データを用いて実施した検証であるという点から、現地の医療界内部による評価に近いとの見方が出ています。
坂本教授は、実際に使用してみた感想について「概ね肯定的」と評しました。坂本教授は、「JLK-DWIは直感的で操作しやすく、自動分析の結果も理解しやすい形で提示された」と評価しました。
単なる読影補助にとどまらず、患者の搬送経路そのものを変えることができるという診断です。脳卒中は、治療可能な時間内に適切な処置が可能な病院へ患者を搬送することが鍵となる疾患です。血栓除去術は、閉塞した血管を再び開通させる再灌流療法であるため、損傷した脳組織の範囲をどれだけ迅速かつ正確に把握できるかが、処置の適応可否に直結します。 病変体積という客観的な数値が初期段階で把握できれば、転院の可否や転院先を判断する時間が短縮されるという意味に解釈されます。
実際、同氏は、定量化された体積情報が、個々の患者の治療決定にとどまらず、診療の流れ全体を変える可能性があると見ました。坂本教授は、「定量化された脳梗塞の体積が提示されれば、急性期の治療適応の有無をより容易かつ明確に判断できる」とし、「再灌流療法のための院内連携や病院間の患者転院など、治療の流れを最適化し、患者の治療結果の改善につながる可能性がある」と説明しました。
「地方・離島地域で大きな役割を果たすだろう」…残された課題は安全性と診療報酬
坂本教授が日本市場の潜在力として挙げたのは、MRIのインフラです。同教授は、「日本はMRIの設置台数が非常に多く、地方の医療機関にもMRI装置を備えた病院やクリニックが多い」とし、「MRIを基盤とした医療画像AIが、日本の脳卒中診療において大きな役割を果たすことができるだろう」と述べました。
実際、日本は人口に対するMRIの普及率が世界トップクラスです。急性期脳卒中患者が病院に到着すると、コンピュータ断層撮影(CT)ではなくMRI DWIを標準的に撮影する病院が多く、CT中心の米国・欧州とは診療構造そのものが異なります。CTベースのソリューションに重きを置いてきた韓国国内の業界構造において、MRI分析能力を備えた企業には、むしろ参入の余地が開かれていると言えます。
専門医不足に悩む地域医療における活用も、同氏が強調した点です。坂本教授は、「信頼できる医療画像AIがあれば、急性期脳卒中の診療に熟練した専門医でなくても、診断や治療適応の可否の判断、予後の予測などの支援を受けることができます」とし、「特に医療資源が限られている地方や離島地域で有用になるでしょう」と述べました。
日本は急速な高齢化により脳卒中の管理負担が増大していますが、急性期の脳卒中を扱える専門人材は十分ではありません。AIが専門医に取って代わるのではなく、専門医の手が届かない地域の空白を埋めることに重点が置かれているわけです。機器はあるものの、読影人材が不足している地域の医療機関が、医療画像AIの第一の需要先となり得るという見方も、同じ文脈にあります。
ただし、同氏は、医療画像AIが現場に定着するためには、乗り越えるべきハードルがあると指摘しました。 技術的な安全性と現地での臨床検証、そして報酬体系です。坂本教授は、「医療画像は機密性の高い医療情報であるだけに、サーバーの運用や病院システムとの連携過程において安全性を確保しなければならない」とし、「日本人患者を対象に、AI分析と専門医の評価の一致性を検証し、診療報酬などを通じて技術の価値が認められる環境も必要です」と強調しました。
これら3つの条件はいずれも、製品の性能とは性質の異なる問題です。特に報酬体系は、医療AIが「試してみる価値のある技術」から「病院が導入する理由のある技術」へと移行する分岐点として挙げられています。分析結果がどれほど正確であっても、診療報酬として報われなければ、病院の立場から見て導入のインセンティブは高くないという点こそ、国内業界がすでに経験してきた構造的な制約でもあります。
JLKは、これらの条件を一つずつ整えながら、日本への進出を準備してきました。同社は、「JLK-CTP」、「JLK-PWI」、「JLK-NCCT」、「JLK-FLAIR」などの脳卒中AIソリューションについて、日本の医薬品医療機器総合機構(PMDA)の承認を取得しました。
JLKの関係者は、「今回の研究のように、日本人患者を対象とした現地での検証根拠も蓄積しています」とし、「現地の流通パートナーとの協力、病院の画像システムとの連携、保険適用の検討を踏まえ、MRIを中心とした日本の脳卒中市場への攻略を加速させる計画です」と述べました。