25日、イーデイリーの取材を総合すると、米国側は3500億ドルの対米投資プロジェクトにおいて、人工知能(AI)データセンターなどに電力を供給する大型原発事業に、ウェスティングハウスの1.1GW級AP1000を適用する案を好んでいるとのことです。 米国政府が2030年までにAP1000を10基着工する計画を推進し、自国の炉型とサプライチェーンを中心に原子力産業の再建に乗り出していることから、韓国の対米投資も同様の枠組みに組み込もうとしているものとみられます。
大統領府や産業通商資源部などは、AP1000を中心とした事業構造では、韓国水力原子力(KHNP)の競争力を十分に活かすことは難しいとの見解を示しています。 韓国がこれまで繰り返しの建設を通じて、工事費と工期を管理できる主力炉型は、1400MW級のAPR1400です。国内の申古里(シンコリ)3・4号機や新ハヌル1・2号機、アラブ首長国連邦(UAE)のバラカ原発などに適用されており、建設・運営の実績も十分です。2019年には、米国原子力規制委員会(NRC)の標準設計認証も取得しました。
一方、AP1000を採用した場合、韓国は資金と施工能力を提供しつつも、原発の設計・供給・運営を主導することが難しくなります。斗山エナビリティや国内の建設会社には資機材・施工の案件が回ってくる可能性はありますが、韓国水力原子力(KHNP)は、米国の原発事業において補助的な参加者へと押しやられる可能性があります。
容量だけを見れば、チェコのドゥコヴァニ新規原発に採用された韓国型APR1000も選択肢となり得ます。しかし、APR1000にはまだ完工・運営の実績や米国NRCの認証がありません。早期着工を望む米国が、新規認証や初号機の建設に伴うリスクを受け入れるかどうかは不透明です。 逆に、APR1400はNRCの認証を取得していますが、米国側が構想する1000MW級の事業よりも容量が大きく、現地のサプライチェーンも整備されていません。
双方の利害の対立を解消するため、ウェスティングハウスへの出資や合弁会社の設立といった折衷案も取り上げられています。しかし、出資を確保したからといって、韓国水力原子力(KHNP)の経営参画や事業受注が保証されるわけではありません。大型原発は商業運転開始まで10年前後を要し、工事費の超過や工期の遅延リスクも大きいのです。 韓国企業の分担と損失責任を事前に明確に定めておかないと、韓国が資金とリスクを負担するだけで、米国の原発エコシステムだけを肥大化させることになるのではないかという懸念が出ています。
この件に詳しい業界関係者は、「韓国が最も競争力を持つ炉型はAPR1400ですが、米国側が検討している事業の要件と合わない部分があります」とし、「1000MW級として推進する場合、韓国水力原子力(KHNP)が主導的な役割を担うことには限界があるかもしれません」と述べました。
▷用語解説
AP1000・APR1400=それぞれ米国のウェスティングハウスと韓国電力・韓国水力原子力が開発した加圧水型原子炉です。 AP1000は1100MW級で、米国のボーグル原子力発電所などに、APR1400は1400MW級で、韓国の原子力発電所やUAEのバラカ原子力発電所に導入されています。米国は対米投資事業においてAP1000の導入を好む一方、韓国はAPR1400の活用と韓国水力原子力の主導的な参加を求めています。