[イーデイリーKIM SAE-MI 記者] #ロキット・ヘルスケアが米国腎臓学会で腎臓再生パッチの前臨床研究結果を発表しましたが、主要な数値は5ヶ月前に公開された中間結果と同一でした。同社はハーバード大学医学部の研究チームと共に、腎機能の保護の可能性を確認したと強調しましたが、実験に使用した動物の数や治療効果を裏付ける資料については明確に公開しませんでした。
ハーバード大学医学部のジョセフ・ボンベントレ名誉教授(元米国腎臓学会会長)が、YouTubeチャンネル「グロースリサーチ」でインタビューを受けている様子(写真=グロースリサーチのYouTube動画より)
28日、バイオ業界によると、ロキット・ヘルスケアは去る23日(現地時間)、米国デンバーで開催された米国腎臓学会(ASN Kidney Week 2026)の企業発表プログラムにおいて、ハーバード大学医学部附属ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のジョセフ・ボンベントレ教授の研究チームと共同で実施した腎臓再生パッチの前臨床試験結果を発表しました。
今回の研究は、マウスの尿路である尿管を塞いで腎臓損傷を誘発した後、腹部の網状組織である大網(オメンタム)を活用した再生パッチを移植する方式で行われました。同社は、パッチを適用した群の62.5%において、腎臓の老廃物濾過能力を示す糸球体濾過率(GFR)が維持または改善されたと明らかにしました。
ロキット・ヘルスケアは去る5月26日、ハーバード大学との共同研究における前臨床の中間結果を発表し、パッチ適用群の62.5%で腎機能が維持または再生されたと明らかにしました。約5ヶ月後に開催された今回の学会でも、同じ62.5%を主要な成果として提示しました。中間結果とその後の分析結果が一致することはあり得ますが、追加の実験でも同様の効果が確認されたかどうかは別の問題です。
同社は今回の発表で、腎臓組織の分析や他の動物モデルを用いた実験結果も紹介しました。しかし、5月以降に追加された研究データの範囲や、研究全体が完了したかどうかについては具体的に明らかにしませんでした。
その間、62.5%という数値に関する説明も変わりました。去る9月3日には、損傷した腎臓の糸球体濾過率(GFR)が約62.5%維持されたと発表しました。一方、5月と10月には、パッチを適用した動物の62.5%で腎機能が維持または改善されたと説明しました。 腎機能がどの程度維持されたか、および全動物のうち何匹に効果が現れたかは、互いに異なる指標です。各数値がどのような基準で算出されたのか、確認が必要です。
実験の規模も明確ではありません。ロキット・ヘルスケアの米国子会社であるロキット・アメリカが去る6月、米国証券取引委員会(SEC)に提出した有価証券届出書には、マウス78匹を対象に約6ヶ月間にわたり研究を行うという計画が記載されています。
しかし、今回の発表で公開された資料だけでは、実際の分析に使用された動物の数や、62.5%が「何匹のうち何匹」という割合であるかを確認することは困難です。当初計画された研究がどの段階まで進んだのかについても、具体的に示されていません。
同社によると、腎臓再生パッチを貼ったマウスは糸球体濾過率(GFR)が平均2%増加したのに対し、パッチを貼らなかったマウスは26~33%減少しました。腎臓の損傷程度を示す指標であるKIM-1も、パッチを貼ったマウスでは対照群より約95%低い値を示しました。
数値だけを見れば、パッチを貼ったマウスの腎臓の状態がより良好だったことになります。ただし、このような差が偶然ではなくパッチの効果によるものかどうかを判断するには、実験に使用したマウスの数や個別の測定結果、両群を直接比較した統計データが必要です。
去る5月に同社が公開した統計数値も検討する必要があります。当時、パッチを貼らなかったマウスのp値は0.0061、パッチを貼ったマウスのp値は0.3945でした。p値は、観察された差が偶然によっても生じ得るかどうかを統計的に判断するために用いられる数値であり、一般的に0.05未満であれば統計的に有意な差があると見なされます。
ただし、この数値が各群の実験前後の腎機能を比較した結果である場合は、解釈に注意が必要です。パッチを貼らなかったマウスでは腎機能が統計的に有意に悪化したものの、パッチを貼ったマウスでは有意な変化が確認されなかったという意味になり得るからです。
これは、パッチが腎機能の低下を防いだ可能性を示していますが、それ自体が治療効果が実証されたという意味ではありません。パッチを貼ったマウスと貼らなかったマウスの間で、腎機能の変化に統計的に有意な差があるかどうかを直接検証する必要があります。現在公開されている資料だけでは、このような比較結果を確認することは困難です。
米国証券取引委員会(SEC)に公開された、ロキット・ヘルスケアとハーバード大学医学部附属ブリガム・アンド・ウィメンズ病院との企業後援研究契約書の署名部分です。ロキット・ヘルスケアのユ・ソクファン代表と、研究責任者であるジョセフ・ボンベントレ教授らの署名が確認できます。(写真=米国SEC開示資料より)
米国SECに公開された研究契約書によると、ロキット・ヘルスケアとロキット・アメリカは去る3月、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院と企業支援研究契約(Sponsored Research Agreement)を締結しました。契約上の研究支援金は総額28万2939ドル、韓国ウォン換算で約3億7800万ウォンです。
研究責任者はボンベントレ教授で、米国腎臓学会の会長を務めた腎臓疾患分野の権威です。契約書には、病院の研究チームが研究を実施し、管理を行う旨の内容も含まれています。
企業支援による研究は、新薬や医療技術の開発過程において一般的に活用される産学連携の方式です。したがって、研究費の支援という事実だけで、研究結果の信頼性を否定することはできません。しかし、研究成果を評価する際には、研究費の支援関係も併せて考慮する必要があります。
ボンベントレ教授は、最近YouTubeチャンネル「グロースリサーチ」で公開されたインタビューで、研究結果は有望であると同時に予想外であったという趣旨で評価しました。ロキット・ヘルスケアは去る27日、自社の公式チャンネルを通じて当該インタビュー動画を共有しました。
米国腎臓学会で行われた発表についても、一般的な研究抄録の発表とは性格が異なるという指摘があります。
ロキット・ヘルスケアは去る23日、最高技術責任者(CTO)のイナダン氏が米国腎臓学会の「イノベーション・ステージ」(Innovation Stage)で研究成果を発表すると明らかにしました。
米国腎臓学会が発行した公式展示ガイドには、「イノベーション・アベニュー」(Innovation Avenue)プログラムの参加費が4000ドル(約535万ウォン)であると記載されています。(資料=米国腎臓学会)
米国腎臓学会が発行した公式展示ガイドによると、「イノベーション・ステージ」は、今年新設された企業展示プログラム「イノベーション・アベニュー」(Innovation Avenue)に含まれています。同プログラムは、参加費4000ドル(約535万ウォン)で、展示スペースや発表用モニター、20分間の発表機会などを提供します。 参加対象は、新興企業や直近3年間に学会での展示実績がない企業などであり、学会側が参加資格を審査します。
また、米国腎臓学会が公開した正規の学術抄録を見ると、ボンベントレ教授は、腎臓の安全性に関するバイオマーカー、小児慢性腎臓病、糖尿病性腎疾患に関連する3件の研究に共同著者として名を連ねています。このうち、ロキット・ヘルスケアの腎臓再生パッチに関する研究は含まれていませんでした。同社が紹介した研究成果と、ボンベントレ教授が共同著者として参加した正規の学術抄録は、別々の発表であると言えます。
イーデイリーはロキット・ヘルスケア側に、研究の規模や統計分析の結果、米国腎臓学会での発表の性質などに関する説明を求めましたが、記事執筆時点まで回答を得られませんでした。
28日、バイオ業界によると、ロキット・ヘルスケアは去る23日(現地時間)、米国デンバーで開催された米国腎臓学会(ASN Kidney Week 2026)の企業発表プログラムにおいて、ハーバード大学医学部附属ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のジョセフ・ボンベントレ教授の研究チームと共同で実施した腎臓再生パッチの前臨床試験結果を発表しました。
今回の研究は、マウスの尿路である尿管を塞いで腎臓損傷を誘発した後、腹部の網状組織である大網(オメンタム)を活用した再生パッチを移植する方式で行われました。同社は、パッチを適用した群の62.5%において、腎臓の老廃物濾過能力を示す糸球体濾過率(GFR)が維持または改善されたと明らかにしました。
同じ数値に異なる説明…「62.5%」の算出根拠は?今回の発表で注目すべき点は、去る5月の中間結果公開以降、研究がどれほど進展したかという点です。
ロキット・ヘルスケアは去る5月26日、ハーバード大学との共同研究における前臨床の中間結果を発表し、パッチ適用群の62.5%で腎機能が維持または再生されたと明らかにしました。約5ヶ月後に開催された今回の学会でも、同じ62.5%を主要な成果として提示しました。中間結果とその後の分析結果が一致することはあり得ますが、追加の実験でも同様の効果が確認されたかどうかは別の問題です。
同社は今回の発表で、腎臓組織の分析や他の動物モデルを用いた実験結果も紹介しました。しかし、5月以降に追加された研究データの範囲や、研究全体が完了したかどうかについては具体的に明らかにしませんでした。
その間、62.5%という数値に関する説明も変わりました。去る9月3日には、損傷した腎臓の糸球体濾過率(GFR)が約62.5%維持されたと発表しました。一方、5月と10月には、パッチを適用した動物の62.5%で腎機能が維持または改善されたと説明しました。 腎機能がどの程度維持されたか、および全動物のうち何匹に効果が現れたかは、互いに異なる指標です。各数値がどのような基準で算出されたのか、確認が必要です。
実験の規模も明確ではありません。ロキット・ヘルスケアの米国子会社であるロキット・アメリカが去る6月、米国証券取引委員会(SEC)に提出した有価証券届出書には、マウス78匹を対象に約6ヶ月間にわたり研究を行うという計画が記載されています。
しかし、今回の発表で公開された資料だけでは、実際の分析に使用された動物の数や、62.5%が「何匹のうち何匹」という割合であるかを確認することは困難です。当初計画された研究がどの段階まで進んだのかについても、具体的に示されていません。
GFR 2%増加・対照群 26~33%減少…群間の比較結果は?ロキット・ヘルスケアが公開した実験結果は、腎機能の保護の可能性を示しています。
同社によると、腎臓再生パッチを貼ったマウスは糸球体濾過率(GFR)が平均2%増加したのに対し、パッチを貼らなかったマウスは26~33%減少しました。腎臓の損傷程度を示す指標であるKIM-1も、パッチを貼ったマウスでは対照群より約95%低い値を示しました。
数値だけを見れば、パッチを貼ったマウスの腎臓の状態がより良好だったことになります。ただし、このような差が偶然ではなくパッチの効果によるものかどうかを判断するには、実験に使用したマウスの数や個別の測定結果、両群を直接比較した統計データが必要です。
去る5月に同社が公開した統計数値も検討する必要があります。当時、パッチを貼らなかったマウスのp値は0.0061、パッチを貼ったマウスのp値は0.3945でした。p値は、観察された差が偶然によっても生じ得るかどうかを統計的に判断するために用いられる数値であり、一般的に0.05未満であれば統計的に有意な差があると見なされます。
ただし、この数値が各群の実験前後の腎機能を比較した結果である場合は、解釈に注意が必要です。パッチを貼らなかったマウスでは腎機能が統計的に有意に悪化したものの、パッチを貼ったマウスでは有意な変化が確認されなかったという意味になり得るからです。
これは、パッチが腎機能の低下を防いだ可能性を示していますが、それ自体が治療効果が実証されたという意味ではありません。パッチを貼ったマウスと貼らなかったマウスの間で、腎機能の変化に統計的に有意な差があるかどうかを直接検証する必要があります。現在公開されている資料だけでは、このような比較結果を確認することは困難です。
ハーバード大学との共同研究に28万ドル…米学会での発表参加費は4000ドルハーバード大学医学部の研究チームと推進した共同研究は、ロキット・ヘルスケア側が研究費を支援する企業後援の研究として行われました。
米国SECに公開された研究契約書によると、ロキット・ヘルスケアとロキット・アメリカは去る3月、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院と企業支援研究契約(Sponsored Research Agreement)を締結しました。契約上の研究支援金は総額28万2939ドル、韓国ウォン換算で約3億7800万ウォンです。
研究責任者はボンベントレ教授で、米国腎臓学会の会長を務めた腎臓疾患分野の権威です。契約書には、病院の研究チームが研究を実施し、管理を行う旨の内容も含まれています。
企業支援による研究は、新薬や医療技術の開発過程において一般的に活用される産学連携の方式です。したがって、研究費の支援という事実だけで、研究結果の信頼性を否定することはできません。しかし、研究成果を評価する際には、研究費の支援関係も併せて考慮する必要があります。
ボンベントレ教授は、最近YouTubeチャンネル「グロースリサーチ」で公開されたインタビューで、研究結果は有望であると同時に予想外であったという趣旨で評価しました。ロキット・ヘルスケアは去る27日、自社の公式チャンネルを通じて当該インタビュー動画を共有しました。
米国腎臓学会で行われた発表についても、一般的な研究抄録の発表とは性格が異なるという指摘があります。
ロキット・ヘルスケアは去る23日、最高技術責任者(CTO)のイナダン氏が米国腎臓学会の「イノベーション・ステージ」(Innovation Stage)で研究成果を発表すると明らかにしました。
米国腎臓学会が発行した公式展示ガイドによると、「イノベーション・ステージ」は、今年新設された企業展示プログラム「イノベーション・アベニュー」(Innovation Avenue)に含まれています。同プログラムは、参加費4000ドル(約535万ウォン)で、展示スペースや発表用モニター、20分間の発表機会などを提供します。 参加対象は、新興企業や直近3年間に学会での展示実績がない企業などであり、学会側が参加資格を審査します。
また、米国腎臓学会が公開した正規の学術抄録を見ると、ボンベントレ教授は、腎臓の安全性に関するバイオマーカー、小児慢性腎臓病、糖尿病性腎疾患に関連する3件の研究に共同著者として名を連ねています。このうち、ロキット・ヘルスケアの腎臓再生パッチに関する研究は含まれていませんでした。同社が紹介した研究成果と、ボンベントレ教授が共同著者として参加した正規の学術抄録は、別々の発表であると言えます。
イーデイリーはロキット・ヘルスケア側に、研究の規模や統計分析の結果、米国腎臓学会での発表の性質などに関する説明を求めましたが、記事執筆時点まで回答を得られませんでした。